運動をしないと血糖値が下がらない仕組み

糖尿病の人は運動をしないと血糖値が下がらないと紹介しましたら、糖尿病だけでなく糖尿病予備群と呼ばれる人も同様です。糖尿病予備群は血糖値を下げるホルモンのインスリンはまだ大きくは減っていないので、インスリンによって血糖値が下がる仕組みによってブドウ糖を細胞に取り込んでいくことができます。ところが、糖尿病まで進んでしまうと、インスリンだけではブドウ糖を取り込みにくくなっているので、運動をしないといけないのです。
食事をするとブドウ糖だけでなく脂肪酸も細胞に取り込まれて、細胞内のミトコンドリアの中でエネルギー代謝が起こり、エネルギー物質のATP(アデノシン三リン酸)が発生します。これはエネルギー物質であって、エネルギーは発生しているわけではありません。ATPからリン酸が一つ外れてADP(アデノシン二リン酸)となり、さらにリン酸が一つ外れてAMP(アデノシン一リン酸)になるとエネルギー物質を発生させなければならない状態となることからAMPキナーゼという酵素が活性化されます。
AMPキナーゼが活性化されると、インスリンなしでもGLUT4という血液中のブドウ糖を細胞内に取り込む輸送体が細胞の中から細胞の表面に移動してきます。これによってブドウ糖が細胞に取り込まれて、ミトコンドリアでATPが作られるようになります。AMPキナーゼは運動をしたときに活性化が進んでブドウ糖の取り込みが進みます。
特に取り込みが進むのは骨格筋で、下半身(ヘソから下)には骨格筋の70%ほどがあります。下半身の骨格筋を刺激するには歩くのが効果的であり、有酸素運動のウォーキングでは酸素を使ってブドウ糖を代謝させる赤筋(遅筋)が強く刺激されます。ということは、歩いて血糖値を下げるためには歩いて赤筋を鍛えることが大切で、同じ歩くにしても筋肉の刺激が高まるように歩幅を広げて、勢いよく進んでいくアクティブウォーキングを心がけるようにしてほしいのです。