食のリテラシー15 食べる順番ダイエット

同じものを食べても、食べる順番を変えるだけで太りにくくなるというのが食べる順番ダイエットで、その基本は「糖質の少ない食品から順番に食べる」ということです。

これは日本の食事を対象とした食べ方であって、日本人の食事の基本といえば、ご飯を中心として、おかず、汁物を交互に食べていくのが原則です。

この食べ方は学校給食で推奨されていることで、“稲妻食べ”と呼ばれています。

これに対して一つのものを食べ終えてから次のものを食べていくのは“棒食い”と呼んで、避けるべきこととされています。

欧米の食事は“棒食い”と同様で、サラダ、おかず(サブディッシュ、メインディッシュ)、デザートという順で、途中でパンなどを食べることもあります。西洋の食事のマナーは順番に食べていくが基本となっています。

食べる順番ダイエットは、野菜や小針、汁物から始まって、肉や魚の主菜、ご飯などの主食を最後に食べる食事法です。食物繊維が多く含まれる料理を先に食べることによって、消化に時間がかかり、血糖値の上昇を抑えるメリットがあります。

また、先に肉や魚を食べることで、満腹感が得やすくなり、糖質が多い主食(ご飯、パン、麺類)の食べる量が減らせるという利点もあげられています。

糖質は血糖値(血液中のブドウ糖の量)を上昇させることによって、膵臓から分泌されるインスリンを増やします。それによってブドウ糖が細胞に多く取り込まれるようになって、これがエネルギーとして使われることになります。

また、インスリンには肝臓で合成される脂肪を増やす作用もあるため、血糖値が上昇することは太りやすくなることでもあります。

この食べる順番のメリットはわかるものの、食べる順番ダイエットは日本の伝統的な食べ方とは違っていて、食文化と合っているのかという議論もあります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕