α‐リポ酸とコエンザイムQ10を的確に吸収させる方法

サプリメント成分のα‐リポ酸のR体だけを吸収させる方法として開発されたものがあります。それはシクロデキストリンと組み合わせたサプリメントです。シクロデキストリンはオリゴ糖で、オリゴ糖はブドウ糖が複数つながったものです。通常のオリゴ糖は鎖状につながっているのに対して、シクロデキストリンは環状につながっています。そのため、環状オリゴ糖とも呼ばれています。
環状オリゴ糖は、その名称でヘルシアやカテキン緑茶、カロリミットなどの材料として使われているので、目にしたことがあるかもしれません。
シクロデキストリンにはブドウ糖が6個、7個、8個がつながったタイプがありますが、R体のα‐リポ酸に使われるのは、ブドウ糖8個が環状につながったγ型のシクロデキストリンです。このシクロデキストリンの内部にR体のα‐リポ酸を入れることによって胃液で分解されずに、腸壁から吸収させることができます。この加工を行ったα‐リポ酸は「R‐αリポ酸」と表示されているので、これで確認することができます。
ブドウ糖が8個つながった輪の直径は1nm(ナノメートル)で、100万分の1mm(ミリメートル)と極めて小さなサイズとなっています。どれくらい小さいのかというと、細胞の核の中にある遺伝子のDNAとほぼ同じサイズです。ナノサイズの微細材料はサプリメント素材でも化粧品素材でもありますが、ナノサイズと名乗れるのは100nmまでです。100nmというとウイルスの大きさですが、100nmは直径であって、立体的なものは「縦×横×高さ」で100万nmとなります。つまり1mmに相当するので、100万倍もの差があることになります。
そんなにも小さなシクロデキストリンの輪の中に1nmの大きさのα‐リポ酸とコエンザイムQ10が入って、壊されずに運ばれ、腸壁から血液中に入っていきます。そのおかげで、コエンザイムQ10の吸収率は10%に高まります。吸収率が10%というと低い感じがしますが、通常のコエンザイムQ10の10倍の量になっています。
このタイプの吸収型のサプリメントは包接型と呼ばれています。商品名や紹介の文に“包接”という文字が入っていれば、天然型のα‐リポ酸、吸収率が高いコエンザイムQ10だということがわかります。