「しっちゃかめっちゃか」って何だ?

使い慣れている言葉なのに、どうして、そんな使われ方をしているのかわからないという言葉は、いくつもあります。その中でも、わかりにくくて仕方がないのが、混乱した状態を示す「しっちゃかめっちゃか」です。
NHKのテレビ番組では2つのキャラクターのシッチャカとメッチャカ登場するものがありますが、もちろん、「しっちゃかめっちゃか」は2つの混乱キャラではありません。似たような言葉に「はちゃめちゃ」や「めちゃくちゃ」、「むちゃくちゃ」があります。それぞれ漢字で破茶滅茶、滅茶苦茶、無茶苦茶と表現されています。
「わちゃわちゃ」という言葉が使われることはありますが、一番混乱した印象があるのが「しっちゃかめっちゃか」です。関東では「ひっちゃかめっちゃか」と使われることがあります。では、「しっちゃかめっちゃか」は関西での使い方かということですが、語源の説の3種類のうちの第一に出てくるものが正しいとすると出自は関西かもしれません。
語源の1は奈良時代の弦楽器です。ちいちゃか(弛衣茶伽)は弦が23本もある楽器で、よほどの名人でなければ手に負えなくて演奏することができない、混乱をしてしまう、というのが語源です。もう一つの語源は、戦前の料亭や芝居の世界で使われていた隠語の「しっちゃか面子」です。その隠語の意味は「不器用な女性」だそうで、“しっちゃか”という言葉が使われていたということがあったとしても、どうもこじつけのような感じがあります。
最後の語源は「失茶化滅茶化」で茶化すこと、つまり冗談としてはぐらかせていると滅茶苦茶になってしまう、冗談なのか冗談でないのかがわからなくなってしまうという、それこそ混乱しすぎて何がなんだかわからない失茶化滅茶化(しっちゃかめっちゃか)な状態になってしまうということからきているというものです。