「スマホは電磁波が怖い」は本当か

電磁波は高周波と低周波に大きく分けられています。電流によって発生するのは低周波の電磁波で、高圧送電線を避けなければいけないといわれるのは低周波による極度の疲労、集中困難、憂鬱、発疹、頭痛、耳鳴りなどが指摘されているからです。日本人の3〜5.7%が電磁波過敏症だという研究結果もありますが、これは低周波の影響です。
高周波の電磁波は電子レンジや電波を発生する機器から発生するもので、細胞を振動させて温める作用があり、携帯電話で長く会話をすると脳が温まると言われるのは、この作用があるからです。携帯電話は、いわゆるガラケーとスマホの両方を含めています。そこで、ケータイとスマートフォンで言葉を使い分けている通信会社もあります。スマートフォンが初めて登場したときに、スマホではなく“スマフォ”と略している人もいました。
スマホは容量(メモリー量)がケータイよりも大きくて、それだけ電磁波が強いので、耳に当てて話すのは危険だと考える人も多くなっています。パソコンは電磁波が強いというのは常識として語られていて、パソコンを耳に当てる、というよりも脳をギリギリまで近づける人はいないはずです。 Windows95と比べるとケータイのほうが容量が大きいということが言われます。スマホは、それよりも容量が大きいので脳に近づけたくないという考えのようです。
1995年に登場したWindows95の容量は8MB(メガバイト)でした。Windows98では16MB、Windows2000とWindowsMeでは32MB、WindowsXPでは128MB、WindowsVistaでは512MB、そしてWindows7以降は1GB(ギガバイト)と急に増えています。これに対してケータイの容量は1GB、スマホは3GBで、容量が大きいほど電磁波が強くなるということを考えると、パソコンを耳に当てているようなものというのはケータイでも同じことになります。確かにスマホのほうが電磁波は強いのですが、ケータイだから安全という考えには疑問が抱かれています。