「寝る3時間前は食べない」の意味

ダイエットを心がけている人、血糖値が上昇しすぎないように気をつけている人には「寝る3時間前には何も食べないように」と指導されます。これは何かを食べて血糖値が上昇した状態で眠ると脂肪の合成が増えることと関係しています。夕食を19時に食べ終えた人が23時に就寝するとなると20時以降は食べられないことになります。そのために、寝る前にお腹がすいてはいけない、空腹のままでは眠れなくなるからと、20時までにデザートを食べる、デザートを食べずに済むように夕食をたくさん食べる、中にはデザートも腹一杯食べるという人もいます。これが食べすぎの原因となって、かえって太った、血糖値が上がったという人もいます。
“3時間前”というのは、もともと夕食を食べ終えてから寝るまでの間が3時間ほどであったことから、“夕食の後は何も食べない”という意味で使われていたのですが、就寝するまでの時間が長い人が増え、例えば21時からのテレビドラマが23時前に終わり、それから入浴してということになると就寝するのは24時(0時)近くにもなります。こうなると夕食後から寝るまでは5時間となり、夕食の内容によっては寝るまでに空腹を感じることにもなります。
夕食の内容というのは消化にかかる時間が関係していて、胃に入った食べ物がほとんど消化されると食べた量に関係なく“お腹がすいた”ということになります。消化が早いのは糖質で、2時間ほどで消化されます。そのために糖質が多い食品・料理を食べると2時間を過ぎたあたりで空腹となります。たんぱく質の消化時間は約4時間で、たんぱく質が多い食品・料理は4時間もって、就寝の直前に空腹を感じるようになります。それよりも早く寝れば、空腹に耐える必要はなくなるわけです。
ちなみに脂質(脂肪)の消化時間は約6時間で、夕食と寝る時間に大きな影響を与えないものの、昼間の場合には脂質が含まれている食事をすると空腹を感じにくくなります。脂質はエネルギー量が1g当たり約9kcalと、糖質とたんぱく質の約4kcalに比べると多いので、太りやすいと敬遠されがちですが、ダイエットのためには、ある程度の脂質は必要だということがわかります。