「ONをOFFで返す」の運動効果

今回のタイトルは“恩を仇で返す”のアレンジというか、捩り(もじり)の言葉で、「ONをOFFで返す」です。これは、もちろんのこと「恩を仇で返す」を捩ったものです。恩を仇で返すというのは、プラスのことをしているのに、それに対してマイナスのことで返されたという意味で、ある意味では「ONをOFFで返す」はぴったりとはまっています。
単なる冗談やギャグで使っているのではなくて、せっかくプラスになるONを与えたり、送ったりしているのに、マイナスのOFFで返してくる人がいます。これは物事をよくない方向に考えて行動する人を指していますが、わざわざ悪いようにしようとしているのではなくて、本人としては「よくしたい」と思っての行動なのに、結果として悪くなっている場合があります。
最も簡単な例をあげると、歩くことは健康によいことと思って、とにかく歩く時間を増やし、歩く距離、歩数を増やしている人がいます。歩けば歩くほど、健康になると思い込んで、ただただ歩いている人もいるのですが、そのONの行動がOFFになっていることがあります。正しい姿勢で歩いていないと、例えば左右がまっすぐの姿勢ではなく、左右に傾いている状態で歩いていると片側の足にかかる負担が強くなり、膝に痛みを感じている場合では、歩くほどにトラブルを起こしやすくなり、痛みを発生させることになります。
歩くことで筋肉が強化されることを期待している人がいます。歩けば筋肉が刺激されるので、歩かないことに比べれば筋肉が刺激されて、筋肉が強化されているのは間違いがないことです。歩いているのだから、筋肉は強くなっている、太くなっていると思い込んで、歩くこと以外の運動をやらなくなる人がいます。歩くことで筋肉が鍛えられる大股での歩行、早歩きなどを行うと筋肉への刺激が強くなります。
ただ、歩いて鍛えられる筋肉の種類がわかっていないと、期待と効果が異なることがあります。歩くことによって増える筋肉は持久力の赤筋です。無酸素運動で強くなる白筋ではありません。赤筋は歩くことによって脂肪を燃焼させる筋肉で、この筋肉をつけるためには歩くしかないことを広報しています。