あくまでも噂話20「足を踏んだ人に踏まれた痛みはわからない」

「自分は裏切っていないのに、裏切られるばかり」と被害者のごとく話す人がいます。ところが、何があったのかを監察のように探っていくと、「裏切ったのは、あなたのほうではないか」とか少なくとも「自分で気がついていないだけで社員を裏切っていたのではないか」と言わなければならない状況になったことがあります。
それも特殊な行動をした特異なキャラクターが一人でしでかしたことだけではなくて、何人もいたことを、コンサルタントとして経験してきました。そのたびに、迷惑をかけられた社員は傷ついていき、とうとう我慢ができないところまで追い込まれても、なお自分のしたことがわからない経営者がいるのです。
「足を踏んだ人はすぐに忘れるのに、踏まれた人は忘れない」と言われるますが、踏んだことを忘れるどころか、踏んだことも覚えていない、そもそも踏んだ意識もないという困った人がいるのです。その困った人に、踏んだことを指摘しても、そのことを言いがかりをつけられたとしか思わない人が少なくないのです。
自分の失敗で会社の根幹を揺るがすことをして、その結果として別の会社に権利を持って行かれて、そのために特別な商品の販売のスペシャリストだった社員が、会社を離れて別の会社に移動したときに、「裏切られた」と言いまくっていた社長に、残っていた社員が何か言うのかと思って観察をしていたのですが、社長の言動を避難するどころか、社長の味方をして“裏切り者”を批判するばかりでした。
裏切って会社を離れていくのが一人だけだったら、気づかないのも仕方がないと思うところかもしれませんが、二人、三人と続いても、まだ足を踏まれた人の痛みがわかないという、自分で会社を潰しかねない経営者はまだ存在しているのです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)