あくまでも噂話22「為になる話とダメになる話」

「゛」がつくか、つかないかで意味が逆になるというのは笑点の大喜利の定番ネタで、「ハケに毛があり、ハゲに毛がなし」「ハハは子どもに厳しく、ババは孫に甘い」「秘書は気を使い、美女は気を使わない」といったように濁点の有無で面白おかしい言葉を繰り出しています。男性経営者が、「秘書(ひしょ)には気を使うことはないが、美女(びじょ)には気を使う」と話していたのに、急に秘書を男性から女性に変えたときに、「何があったのか?」と首をひねったことがあります。
これは笑い話で済むことかもしれませんが、濁点がついたことで、とっても為(ため)になる話の場を設けたのに、結果として駄目(だめ)になってしまったという苦い経験があります。この二人を組ませたら、どちらにも利益があるし、社会的にも役立つという思いから、マッチングを図ったことがあります。
お互いに現在の仕事内容だけでなくて、過去の実績も話したほうがよいということになり、まずは経験があり、社会的な地位が高いほうの某団体の専務理事に先に話をしてもらいました。非常に為になる内容で、マッチングの可能性を感じていました。
この話を受けて、PR会社の営業部長が、具体的な話をすればまとまると感じていました。その前に、部長のほうにも具体的な話につながる過去の実績を話してほしいということになったのですが、思いもしないことを言い出して、「為になる話のはずが駄目になった」という残念な結果になりました。
そのきっかけの言葉は「私も自慢話をさせてもらいます」。これまで一生懸命に話してくれたことを完全否定するようなことを言い出したために困惑してしまい、その後に聞いたことを私も専務理事もよく覚えていないというような結果になってしまいました。そして、そんな空気が読めない人を二度と連れてこないでくれと言われ、私と専務理事との長い付き合いをもってしてもギクシャクした関係になって、その後の仕事がうまくいかなくなりました。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)