お酒を飲むと睡眠が浅くなる理由

NHKの人気番組の“チコちゃんに叱られる!”は、5歳児の「なぜ?」「どうして?」に大人が答えていくというスタイルで、なかなか答えられない内容を取材に基づいて解説するというものです。この番組のせい、というか、おかげか、当たり前としてスルーされるようなことを話しても、セミナーの会場内から「なぜ?」「どうして?」と聞かれることが多くなっています。
これまでに紹介してきた飲酒についていうなら、「お酒を飲むと寝付きはよくても眠りが浅くなる」のは実感していても、なぜなのかということは説明が難しいことです。それをあえて説明するとアドレナリンが関係しているからです。
自律神経は交感神経と副交感神経に大きく分けられ、興奮系の交感神経が盛んに働いているときにはアドレナリンが分泌されています。アドレナリンは副腎髄質から分泌されるホルモンの一種で、脳神経などの神経伝達物質です。アドレナリンには脂肪細胞の中に蓄積されている中性脂肪を分解させて脂肪酸として血液中に放出させる作用と、筋肉や肝臓に蓄積されているグリコーゲンを分解させてブドウ糖として血液中に放出させる作用があります。
脂肪酸もブドウ糖も重要なエネルギー源で、寝ている間も脂肪酸40%、ブドウ糖60%くらいの割合で体内で使われています。脂肪酸のほうは多く蓄積されているので不足することはないものの、ブドウ糖は食事内容によって大きく変化するので不足してしまうこともあります。飲酒をしてから寝ると、肝臓はアルコールの分解を優先させるために、糖分の分解が遅くなり、血液中のブドウ糖が減りぎみになります。そのために寝ている間にブドウ糖不足になり、それを補うために交感神経の働きが盛んになってアドレナリンが多く分泌されます。寝ている間は副交感神経に支配されているのに、興奮系の交感神経の働きが急に盛んになることから、眠りが浅くなり、目が覚めることにもなると説明させてもらっています。