かかと落としが血糖値を一番下げるのか

かかと落としというと、骨粗鬆症を防ぐための簡単運動として紹介されました。かかと落としというのは、爪先立ちになってから、かかとをストンと落として、かかとを床に打ちつけて、ショックを与えるという方法です。同じ名前の格闘技の足技のことではありません。かかと落としによってオステオカルシンという骨芽細胞から分泌されるたんぱく質は骨の中に約0.4%が存在していますが、これが骨芽細胞の働きを高めて、骨を丈夫にしてくれるというのが、ごくごく簡単なメカニズムです。
このかかと落としが血糖値を下げる効果があるというので、また注目されています。といっても研究が始まったのは2013年のことで、オステオカルシンにはインスリン分泌を促進して、細胞に取り込まれるブドウ糖の量を増やして、血糖値が下がるというルートが解明されています。
これだけ聞くと、かかと落としさえしておけば、食べすぎても、運動不足でも大丈夫というような印象を抱かせてしまいますが、インスリンさえ分泌されれば、誰もが血糖値が下がるということではありません。血糖値が上昇するのはインスリンが不足している場合と、インスリンは分泌されているものの細胞がインスリンをうまく使うことができない場合があり、日本人は後者が多くなっています。これに当てはまる人は、かかと落としは効果が出にくいということです。
かかとに刺激を受けてオステオカルシンが分泌されることで血糖値が下がりやすい人は、かかと落としをすればよいのかというと、歩くだけでもよいのです。ただし、適した歩き方をしないといけないのですが。かかと落としをすると体重の3倍ほどの荷重がかかります。歩幅を広げて歩くと、かかとから着地することになり、このときにも体重の3倍ほどの荷重となります。歩幅を広げて、勢いよくスタスタと歩くと4倍に、そして走るかノルディックウォーキングでグイグイと前進する歩行法だと5倍ほどにもなります。
どちらがよいかということではなく、外では勢いよく歩いて、かかと落としは家の中でと、日本メディカルダイエット支援機構では、両方の刺激法をすすめています。