そんなに食べていないのに太る理由

食事の量を大きく減らしているのに、たまには食事を抜くこともあるのに、なかなかやせない、中には少しだけれども前よりも太ったという人もいます。こういう人は食事について嘘の報告をしているのではないか、本人が気づかないうちに食べてしまっているのではないか、などと言われることもありますが、そういったことは実際に起こり得ることです。
身体のエネルギーバランスは食事で摂るエネルギー量と運動や日常的な活動で使うエネルギー量が基本となっています。これが基本であるので、活動量が同じで食べる量が減ればやせるものと思われがちです。活動によってエネルギー消費をするときには、よく“燃える”と表現されるように、全身の細胞内のミトコンドリアで糖質と脂質を燃焼させてエネルギー物質のATP(アデノシン三リン酸)が産生されています。その燃焼のために必要な成分が不足していると充分にエネルギー産生が起こらなくなります。その分だけ、やせにくくなるわけです。
燃焼のための成分というと、まずはビタミンB群のビタミンB₁、ビタミンB₂、ビタミンB₆、ビタミンB₁₂で、これらがミトコンドリアでのTCA回路でクエン酸から次々と別の酸に変化をするときに必要となります。これを補助するミネラルとして亜鉛、銅、マグネシウムなどがあります。これらの成分が含まれた食品を食べていないと充分に燃焼が行われず、体脂肪が増えることになります。
これとともに必要になるのが三大ヒトケミカルのα‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10です。重要な成分であるのに、これまで医科学的なダイエットのための成分として強く認識されてこなかったのは体内で合成される成分であり、食品からは補いにくい成分だったからです。しかし、三大ヒトケミカルは20歳代をピークに減り続け、これが代謝低下を起こし、太りやすく、やせにくい体質となっていきます。あまり食べていないのに太るという人は、三大ヒトケミカルが不足していると判断されます。α‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10は今では吸収されやすいサプリメントとして補うことができるようになっているので、これを活用しない手はありません。