りんごダイエットは古臭いダイエット法なのか

りんごダイエットは単品ダイエットの代表的なもので、このほかに単品ダイエットとしては、ゆで卵ダイエット、キャベツダイエット、コンニャクダイエットなどがあります。
りんごダイエットは、摂取エネルギー量がりんご1個で約100kcalと計算しやすく、体脂肪1kg分のエネルギー量である約7200kcalを減らすためには、72個分を我慢すればよいという理由で、今も知られたダイエットとなっています。
りんごには、ビタミン、ミネラル、不溶性食物繊維のセルロースと水溶性食物繊維のペクチンが豊富に含まれています。カリウムは体内の不要なナトリウムを排出して、むくみを解消したり、血圧を下げる作用もあります。このような有効なフルーツではあるものの、従来のりんごダイエットは2〜3日間は、りんご以外は何も食べないという究極の置き換えダイエットであったため、長続きせず、栄養不足になることもあって、リバウンドしやすいダイエットの代表とされることもありました。
エネルギー量は1日に必要なものを確保できたとしても、食事はエネルギーの確保のためだけに食べているわけではありません。健康を維持するためには、食事から必ず摂らなければならない栄養素があります。それは体内では合成されないもので、必須脂肪酸、必須アミノ酸、必須ビタミン、必須ミネラルと呼ばれています。
人間は雑食性であって、猿人から進化してピテカントロプス(原人)になったときから、多くの種類の食品を食べなければ生命維持ができなくなっています。これは食物連鎖の頂点に立ったことで、あらゆる食品を食べられるようになったため、体内で合成される必要がない栄養素が現れるようになったと考えられています。
必須の栄養素がすべて含まれた食品は残念ながら存在していなくて、単品はもちろんのこと少数の食品だけで生きていくことはできません。また、脂肪を燃焼させるために欠かさずに摂らなければならない栄養素もあるため、複数の食品を食べなければならないわけです。
りんごダイエットを紹介する書籍や雑誌記事、ネット情報の中には、りんご特有のポリフェノールであるアップルフェノンが含まれているので、強い抗酸化作用があると書かれているものもあるのですが、アップルフェノンは未熟果と呼ばれる成長途中に取り除かれるものに多く含まれているもので、サプリメントの素材となっているものです。通常のりんごでは期待されるほど多くは含まれていないので、有効活用できるのはサプリメントということになります。