インターバルウォーキングでミトコンドリアを増やす

インターバルウォーキングは速歩と普通歩行を交互に繰り返す歩行法で、トレーニングとしてのウォーキングとして実施しています。日本メディカルダイエット支援機構が実施していることもあって、内臓脂肪の減少が目的と思われがちです。もちろん、インターバルウォーキングは脂肪の代謝効果が高い赤筋(遅筋)を強く刺激して、脂肪が燃焼しやすいようにする筋代謝力を高めることは明らかであり、内臓脂肪が多すぎる人には減少効果があるのは間違いないことです。
しかし、インターバルウォーキングによって血糖値の急上昇を抑えて、糖尿病を予防する効果があるので、糖尿病予備群のためにも活用してもらっています。中之条研究(群馬県中之条町)では糖尿病の予防について「1日に8000歩、20分間の中強度の早歩き」という目安を示しています。どうして歩くことによって内臓脂肪減少と糖尿病に効果があるのかというと、ミトコンドリアの増加と機能向上があげられています。
ミトコンドリアは細胞の中にあるエネルギー産生の小器官で、細胞によって100〜400個以上も存在しています。多く存在しているのは骨格筋です。ミトコンドリアはブドウ糖と脂肪酸を取り込んで、その中のTCA回路でエネルギー産生が行われています。運動をして筋肉が増えると、それだけミトコンドリアの数が増えて代謝が高まります。運動不足になると筋肉が減るだけでなく、ミトコンドリアの機能も低下していきます。その結果として、細胞にブドウ糖を取り込む能力が低下して、これが血糖値を上昇させることにつながります。
歩く機会を増やすと、筋肉が増えるところまでいかなくても、筋繊維(筋肉細胞)のミトコンドリアの機能が高まり、その結果としてインスリンを使って細胞にブドウ糖を取り込む能力が高まっていきます。同じ歩くのでも、インターバルウォーキングを実施するとエネルギー産生を早く進めなければならない状態が起こることからミトコンドリアが増えやすくなり、またミトコンドリアの機能も高まっていくことになるのです。