インターバルウォーキングで歩いて筋肉をつける

速歩と普通歩行を繰り返すインターバルウォーキングは、歩くだけで運動のように筋肉強化ができる歩行法です。別の言い方をすると、「歩くことも運動」というようにできるということで、運動不足を感じている人にとっては、ありがたい方法といえます。全身の筋肉のうち70%ほどはヘソから下の下半身にあります。この下半身の筋肉を使うことで、正しい姿勢で効率的に歩くことができます。逆にいうと、正しい姿勢で歩くことによって全身の70%もの筋肉を強化することができるということです。
筋肉の強化というと一般には筋繊維のうち速筋と呼ばれる白筋を刺激して太くしていくことを指しています。いわゆる筋トレに比べると、歩いて刺激できる筋肉は異なっていて、遅筋と呼ばれる赤筋が主に刺激されます。歩くことによって筋肉は太くはなりにくいものの、代謝力を高めることができます。代謝力というのはエネルギー源のブドウ糖と脂肪酸を燃焼させてエネルギーを作り出すことをいいます。
代謝力を高めるには、有酸素運動によって酸素不足の状態を作り出して、細胞のミトコンドリアで酸素を用いてエネルギーを作り出す能力を高めることが必要になります。ミトコンドリアの能力が高まれば、ブドウ糖と脂肪酸を効率よく取り込んで、多くのエネルギーが作り出されます。歩いて脂肪燃焼が効果的に行われる筋肉とするためには、歩くことが一番ということです。
ただ歩けばよいということではなくて、代謝力を高めるためには筋肉を大きく動かして、筋肉の中に送り込まれる酸素を増やす必要があります。そのためには、まずは歩幅を広げて歩くことだといっても、歩幅を広げて歩く、それも一時期ではなくて、ずっと歩幅を広げて勢いよく歩き続けるというのは、なかなかできないことです。そこで普段から歩幅が広げられるように、トレーニングとしてすすめているのがポールを用いて歩くノルディックウォーキングです。ノルディックウォーキングといっても、スポーツ感覚で行うノルディックウォーキング専用ポールを用いたものだけでなく、サポートタイプ(ディフェンシブ)の前つきのポールを用いたものも対象者(高齢者や体力がない人など)によっては実施しています。いわゆるポールウォーキングで、ノルディックウォーキングに比べると運動効果が低いと指摘されることもありますが、代謝力を高めるための歩行法を高めるという意味では、これでなければならないと言うべきではないと考えています。