ウォーキングのトラブルは歩いて治せないのか

NHKのウォーキングを取り上げたテレビ番組で、ウォーキングのトラブルをテーマにした回があったので、楽しみにしていました。健康によいはずのウォーキングも、誤った歩き方をしていると、健康によいどころか、かえって足腰を傷めたり、心臓や血管によくないこともあるので、そのことを紹介して、正しい歩き方を教えてくれるのかと思っていました。しかし、実際には整形外科の医師が登場して、手術の話から始めたのでビックリしてしまいました。
膝の関節がまっすぐの状態でない状態で歩いていると、膝関節が正しく擦れ合わないために、だんだんと軟骨の一部だけが擦り減って膝に角度がついてきます。これが進むとO脚やX脚になり、擦り減りが激しい部分は軟骨が大きく減って、骨の中にある神経が刺激されるようになります。これは膝の痛みの大きな原因です。
健康食品を紹介する番組なら、グルコサミンやコンドロイチンによる改善を述べるところなのでしょうが、その番組では膝の骨を切る手術を紹介していました。上の骨と下の骨を斜めにカットして、まっすぐになるように結合させようというものです。その次に、そこまでのことをしなくてもよい方法が紹介されました。それは靴の中敷として斜めになったものを入れることです。これを使えば、膝の角度が修正されて、膝にかかる負荷が弱まって、痛みも軽減されます。これなら手術をするよりも楽だということですが、なんだか通信販売の手法のようにも見えてしまう。
この中敷で膝の痛みは軽くなるものの、健康的な歩き方とされる踵(かかと)から着地して、徐々に足裏をつけていって、親指で蹴り出すようにして足を前に出すということができにくくなります。どうしても足裏をつけたまま、すり足で歩いたり、ペタペタと歩くといった高齢者のような歩き方になってしまいます。
歩いて痛みが出る人には、痛みが出ないような歩き方をするようにしたいものです。歩いても筋肉がつきにくい人には、筋肉がつくような歩き方を教えてほしい、という声を、その番組を見ていた中高年の方々から多く聞きました。ということで、次は痛みが出ない歩き方、その次は筋肉がつく歩き方を紹介します。