ウォーキングの脂肪燃焼を早めるためのお茶の活用

ウォーキングのセミナーで、余分な話として付け加えたことに思いのほかの反応があり、こんな簡単な方法を求めているのかもしれないと感じたものです。その話の内容は「ウォーキングの30分前にお茶を飲むと脂肪酸の燃焼が早く始まる」というものです。脂肪酸は細胞のミトコンドリアに取り込まれて、代謝によってエネルギー化しています。一般には脂肪は燃焼すると言われていますが、実際には燃焼しているわけではなくて、ミトコンドリア内のTCAサイクルで脂肪酸がアセチルCoAとなり、次々と別の物質に変化して、一周してくる間にエネルギー物質のATP(アデノシン三リン酸)が発生します。そして、ATPからリン酸が離れるときにエネルギーが発生します。
こんなメカニズムには関心がなくても、どうしたらメカニズムを活かすことができるのかという方法論には強い反応をされます。お茶を飲むだけという方法は誰もができることですが、お茶に含まれるカフェインには、脳を興奮状態にさせてアドレナリンの分泌を盛んにする作用があります。一般にはアドレナリンが多く分泌されるのは身体に負荷がかかった状態で、それに対処するエネルギー源を血液中に放出するために脂肪細胞の中性脂肪が分解され、脂肪酸が放出されるようになります。
運動の30分ほど前にカフェインを多く摂ると、運動をするときには、すでに脂肪細胞内の脂肪分解によって血液中に脂肪酸が放出されています。ウォーキングなどの有酸素運動は脂肪燃焼には効果的で、有酸素運動を始めて5〜10分で脂肪酸が盛んに燃焼するようになります。通常のウォーキングでは10〜15分はかかっていて、これに比べて5分ほどの短縮ですが、運動時間が長く取れない人にとっては大切な時間となります。
カフェインの含有量(抽出液150ml中)は、玉露(180mg)、コーヒー・ドリップ(100mg)、コーヒー・インスタント(50mg)、紅茶(30~50mg)、煎茶(30~50mg)、ほうじ茶(30mg)、ウーロン茶(30mg)となっています。ちなみに、番茶にカフェインは含まれていません。