ウォーキングの膝の負荷は骨盤の角度で違う

歩くことは身体によいことだとは言われているものの、長く歩くと足腰の負担が大きくなります。中でも歩くほどにダメージが大きくなるのは膝です。若いときには長めに歩いても膝のダメージは少なくなかったのが、年齢を重ねるほどにダメージは膝に出てくるようになります。ダメージといっても、ただ疲労がたまる、疲れが出てくるというのは、まだよいほうで、膝に炎症が起こり、痛みが出るようになります。ここまで進むと“痛み”というよりも“傷み”というレベルとなり、歩かないようにする、身体を休める時間を長くするというケアをしても、なかなか回復しないようになります。
同じように歩いて、同じように膝に負担をかけていても、痛みが出やすい人もいれば、痛みを感じないという人もいます。膝の軟骨が同じように摩擦の刺激を受けて、同じように磨り減っても、刺激を受けてトゲ状になった骨が、どれくらい反対側の神経を刺激するかによって痛みのレベルは違ってきます。
歩くということは、左右の足を同じように使って足を前に出しているはずなのに、左右で痛みが違ってきます。これは本人は同じように歩いているつもりでも、実は歩き方が違っていて、片側ばかりが強く刺激されるということが起こっています。その原因として指摘されているのは、膝の角度の違いであり、さらに原因となっている骨盤の角度です。
普通に歩いているときには、左右の脚にかかる負担を同じだと考えられていますが、実際には左右で負担のかかり方が違っています。これは骨盤がまっすぐであることを前提としているのですが、骨盤の角度がまっすぐということはなくて、左右の位置が違っているのは、よくあることです。骨盤が下がっている側は、そこから下の脚の骨は強く刺激を受けていて、それだけ摩擦も強くなり、骨と骨の間の軟骨が強く刺激を受けることになります。骨盤の左右の傾きは、裸になって見てみればわかることですが、歩行法をチェックするときには、まずは骨盤の傾きもチェックすることが必要になるということを知っておいてほしいのです。