ウォーキングはスポーツなのか

ヘルスケアスポーツと市民スポーツと違う、ということをウォーキングを例にして話したところ、「そもそもウォーキングはスポーツか」という疑問を投げかけられました。スポーツとは、一定のルールの中で勝敗を競ったり、楽しみを求めたりする身体運動を指しています。一般には競技スポーツがイメージされるようですが、楽しみのほうを優先させたものも多々あり、これらは生涯スポーツと総称されています。
対人競技というところに着目して、コンピュータゲームの競技もスポーツの一種(eスポーツ)とされるようになっています。ただ勝てばよいということではなくて、「フェアプレーこそがスポーツだ」という考えもあります。eスポーツもフェアプレーで競技されることで多くの観衆に支持されていることから、これがスポーツであることの論拠の一つとされています。
ウォーキングは一定の距離を定めて完歩を目指して歩くもので、順番を競ったり、時間制限を設けてタイムレースにするものではないということを原則として実施されています。日本メディカルダイエット支援機構ではウォーキングとポイント競技を組み合わせたバイアスロンのような競技性のあるウォーキングイベントも実施していますが、順番や時間を採用すればスポーツだと考えているわけではありません。スポーツに取り組むメリットとして心身の健康の保持増進をあげる人が多いことから、歩くことが健康に直接的に結びつくことを重視しています。
その一つが速歩で、勢いよく歩くことで筋肉の増強、体脂肪の減少、もちろん心肺機能の向上も目指しています。より効果が高まる歩き方の指導のほかに、同じ歩くことでも飛躍的に効果が高まる速歩と普通歩行を交互に繰り返すインターバルウォーキングをすすめています。ウォーキングというと距離を稼ぐことが重視されて、身体的な負荷がかからないことが優先されてきましたが、発想を転換させて距離や時間よりも健康という結果のほうを優先させて、ウォーキングをスポーツ化させることに取り組んでいます。