エネルギー理論で解く「食事量を減らしてダイエット」の間違い

ダイエットの話をするときに当たり前のように語られるのが「食べる量を減らしてやせるのか、運動をしてやせるのか」ということです。どちらの方法をやっても、体脂肪の減少が同じなら結果は同じでないか、と考える人もいます。“人もいます”どころか、それが定説のように語られることも少なくないのですが、日本メディカルダイエット支援機構のダイエットのエネルギー理論からすると、「しっかりと食べて体脂肪を増やしてから運動をして体脂肪を減らす」のが正しい選択といえます。
体脂肪の蓄積量だけに注目すると、わざわざ増やしてから体脂肪をエネルギーとして使って減らすというのは、なんだか遠回りというか、無駄なことをしているように感じられます。しかし、私たちは体脂肪として蓄積されている中性脂肪が分解された脂肪酸をエネルギーとして使うことで、多くのエネルギーを作り出すのが正しいと考えています。生命維持にも活動にも使われるエネルギーは、細胞の中に取り込んだエネルギー源(ブドウ糖、脂肪酸、アミノ酸)をミトコンドリアの中で代謝させることによって作り出されています。特に多くのエネルギー量があって、効率的にエネルギー産生できるのは脂肪酸です。
食事量を減らして、やせたとすると、それはエネルギーが多く作り出せなかったということです。多くのエネルギーを作り出せば、それは活動のためのエネルギーになるだけでなく、全身の細胞を働かせて活力を持って生きることにもつながります。脳細胞のエネルギー源はブドウ糖だけで、脳を正常に働かせるためにはブドウ糖を充分に摂って、それをエネルギーにするしかありません。というのは細胞内で作り出されたエネルギーは、その細胞の中でしか使われないからで、細胞の一つひとつを充分なエネルギーをもって働かせるには、細胞の中でエネルギーを作り出すしかないのです。
エネルギーが多く必要になる、しっかりと身体を動かさねばならないとき、頭を働かせなければいけないときには、先にエネルギーの蓄積ポイントである体脂肪を増やして、それから体脂肪を効果的に代謝させる運動、中でも有酸素運動をするべきだということがわかるはずです。