エネルギー量が合っていればやせるのか

体格や性別、年齢、身体活動によって1日に消費されるエネルギー量が決まれば、それ以上のエネルギー量ものを食べれば太るし、それ以下ならやせるということが常識的に語られます。それは基本的には合っていることで、例えば1日に1800kcalの摂取エネルギー量であることがわかると、まずは1800kcal以上は食べないようにする人が多いかと思います。1800kcalのものを食べればよいということだけなら、お菓子のパッケージに書かれているエネルギー量を足し算して、1800kcal以下に抑えるようにすれば済むはずです。
しかし、実際には、それでよいわけではなくて、エネルギー源となっている糖質、脂質、たんぱく質をバランスよく摂って、身体に必要な栄養素を毎日の食事で摂る必要があります。そのバランスは「日本人の食事摂取基準2020年版」によると、エネルギー比率で糖質が50〜65%、脂質が20〜30%、たんぱく質が13〜20%の範囲となるように示されています。少なくとも、この範囲になるようにしなければなりません。エネルギー量が合っていれば、それでダイエットが成功するわけではないのです。
それぞれの食品に含まれる糖質、脂質、たんぱく質は、日本食品標準成分表(2020年版)を見れば詳しく書かれています。100g単位なので、実際の食品の重量がわかれば計算をして、どの食品を、どれくらい使えばよいかがわかります。といっても、それを簡単に計算できるのは栄養学を学んだ人くらいで、そう簡単にはいきません。そこで日本メディカルダイエット支援機構がすすめているのは100kcal単位の食品を組み合わせて、1日に食べるべきものを考える100kcalダイエット栄養学です。
100kcal単位の食品の分量は、私たちが講習で示しているので、これだけは学んでもらわなければならないことなのですが、1日に食べるべき食品の分量がわかれば、その範囲で料理をすればよいことがわかります。そして、1日に100kcalを減らすということなら、100kcal分の食品を減らせばよいということになります。