ギムネマは同じ成分でも条件で有効性が違っている

ギムネマ・シルベスタという健康食品によく使われる成分があります。インド原産のガガイモ科のハーブで、その葉がダイエット用の健康食品の素材となっています。ダイエット用に使われるギムネマ・シルベスタの葉に含まれるギムネマ酸には、腸壁にあるブドウ糖を吸収する受容体に結びついて、ブドウ糖が腸壁を通過しないようにする働きがあります。そのために、ブドウ糖が多く含まれるご飯やパン、麺類を食べてもブドウ糖の吸収量が減ります。ブドウ糖は血糖値を上昇させます。血液中のブドウ糖が血糖なので、血糖値というのは血液中のブドウ糖の量ということになります。
血糖値が上昇するということは、身体に入るブドウ糖が多くなるということだけではありません。血糖値が上昇すると、ブドウ糖の量に反応して膵臓から分泌されるインスリンの量が増えます。インスリンには細胞の中にブドウ糖を取り入れる働きがあります。細胞に取り込まれたブドウ糖はエネルギーとして使われるので、血糖値が下がっていきます。ギムネマ酸には舌の味蕾細胞の甘みを感じる味覚感覚を遮断する作用があり、ギムネマ・シルベスタを使うと、甘みを感じにくくなることから食べすぎを防ぐ作用もあります。
もう一つのインスリンの働きは、肝臓で脂肪酸を合成する働きです。脂肪酸というのは脂肪を構成する最も小さな単位で、この脂肪酸が細胞のミトコンドリアに取り込まれてエネルギーとして燃焼されます。脂肪酸は、そのままではミトコンドリアの膜を通過することはできませんが、それを可能にしているのがL‐カルニチンです。L‐カルニチンは細胞酸と結びついてミトコンドリアの膜を通過することができます。
この脂肪酸の合成が減るということで、ダイエット効果があるわけですが、ギムネマ酸はギムネマ・シルベスタの葉の部位と状態などによって含有量が異なっています。
ギムネマ酸が多く含まれるのは、新芽の状態で、その新芽の先の部分です。インドなどの研究によって、最も含有量が多い地域、季節も判明しています。これによって最も含有量が多いものを見つけることができますが、その素材としての葉も加工法や保存法によって含有量の量が異なります。
同じ成分であっても、これだけの条件によって含有成分は異なるわけですが、自分が購入して使おうとしているサプリメントの素材が、どういったものなのかで有効性が大きく左右されるということを知って、商品選びをしてほしいのです。