グアニル酸は高血圧に効果があるのか

テレビの健康をテーマにしたバラエティ番組で、キノコの健康効果を紹介していました。どれも目新しい情報ではなかったのですが、気になった情報がありました。高血圧の人によいキノコとして紹介されていたのはシイタケでした。シイタケには旨味成分のグアニル酸が含まれていて、その量は生シイタケと干しシイタケのどちらに多いかという質問があり、その答えは干しシイタケでした。
これは間違っていないのですが、干しシイタケにすることによって特別に含有量が増えるわけではなくて、生シイタケは90%ほどが水分なので、干しシイタケにすると分量としては10分の1になります。グアニル酸の含有量は重量あたりで示されているので、グアニル酸が10倍になったというのは重量が10分の1になった結果ということができます。
そのことよりも気になったのは、そもそもグアニル酸は高血圧に効果がある成分なのか、ということです。番組の中で紹介していたのは、血液中の脂肪が増えると血液がドロドロになると血圧が上昇するということでした。高血圧の原因としては、加齢、自律神経の交感神経の作用、ナトリウム過剰摂取、ナトリウムの排泄不足、カリウム不足、肥満、ストレス、喫煙、角のアルコール摂取、寝不足、疲労、糖尿病、寒さ、温度の急変、遺伝的な体質、怒りっぽい性格などがあげられています。
血液がドロドロになるというのは血液が血液中の脂肪が固まりやすくなることで、グアニル酸には血小板凝固抑制作用があります。血小板が凝固すると血栓ができやすくなり、これが毛細血管などで詰まると動脈硬化、脳梗塞、心筋梗塞を発症させることになります。血圧の上昇と直接的には関係ないはずなのですが、干しシイタケの健康効果の話になると、「グアニル酸→血液サラサラ→高血圧の抑制」というふうにつながって紹介されています。
シイタケと他のキノコとの比較、干しシイタケと生シイタケの比較をする前に、そもそも含有成分がメカニズム的に血圧と直接的に関わりがあるのかを先に考えてほしいところです。