コエンザイムQ10の吸収率の違い

コエンザイムQ10は体内で合成されていて、20歳をピークに合成量が減っていきます。コエンザイムQ10は医薬品成分から食品成分としても使用することが許可されたことから、サプリメントとして摂ることができます。不足することで代謝が低下するなら、これを補うことでピーク状態を保つことができるようになります。では、どれくらいの量を摂ればよいのかというと、これを確定的に示すのは非常に難しいことです。というのは、吸収率の違いがあって、不足している分を摂取すれば、それで補われるわけではないからです。
ここからは、まったくのたとえ話になります。例えば体内に保持されているコエンザイムQ10の量が1000mgだとして、サプリメントとしてコエンザイムQ10を100mgだけ摂って、それで体内のコエンザイムQ10量が1100mgとなれば、すべてのコエンザイムQ10が吸収されたわけで吸収率は100%となります。しかし、増えたのが1mgだと、吸収率は1%ということになります。多くのコエンザイムQ10サプリメントは、これと似たような結果となっています。
これに対して、シクロデキストリンを用いて加工したコエンザイムQ10では、10%から最高で18%にもなることが確認されています。これだけを見ると、商品によって10倍から18倍もの違いがあって、同じような価格だとしたらコストパフォーマンスは10倍以上も違うことになって、どれを選ぶべきかという答えは明らかです。
これは単回試験、つまり1回だけ摂取して、どれくらい高まるのかを調べたものです。これに対するのが継続試験で、1か月ほど摂取して、どれくらい全体的に高まったのかを見ます。吸収率が10%のものであっても、継続しての使用の結果をみたら3%という結果になることもあります。それを採用して、吸収率が1%から3%に3倍になったと表示している商品もありますが、どうせ示すなら数字が高い単回試験の結果を表示しようとする商品もあります。吸収率としては同じなのに、数字が違ってくるという、専門家にしたら当たり前のことが充分に理解できない人にとっては、騙されることにもなりかねないということです。