サプリメントと健康食品は何が違うのか

サプリメントと健康食品は同じものという考えと、違うという考えがあります。日本メディカルダイエット支援機構では、サプリメントの知識の検定を実施しており、このサイトにはサプリメントを解説する「サプリメント事典」を掲載しています。これを見て、「サプリメントと健康食品は同じものと考えているのか」との質問をメディア関係者から受けたことがありますが、これはタイトルとして使っただけで、同じではなく、違うものという認識をしています。
健康食品は健康の効能がある食品で、一般の食品とは違うものという共通認識があります。形状も食品そのものではなく、食品の成分を凝縮・濃縮して錠剤やカプセルにしたもの、液体にしたものがあげられます。そのために医薬品と勘違いする人も出てきて、それを防ぐために薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)によって、医薬品と勘違いさせるような表示をして販売することは禁止されています。
健康食品の範囲は糖質・脂質・たんぱく質のエネルギー源、ビタミンやミネラル、食物繊維という六大栄養素から、ファイトケミカル(フィトケミカル)のように植物に含まれる機能性成分も含まれています。これに対して、サプリメント(supplement)は補助、補完、補充という意味がありますが、一般のイメージにあるサプリメントはアメリカの栄養補助食品を指すダイエタリー・サプリメント(dietary supplement)から来ています。
Dietaryという文字を見て、「ダイエットのサプリメントのことですか」という質問をセミナーの中でされたことがあります。ダイエット(diet)からの発想のようですが、これは食品を指しています。食物繊維はダイエタリー・ファイバーといいます。これからいうとダイエタリー・サプリメントは食品を補うものということで、通常の食事からでは充分に摂取できない成分を摂るものを指すことになるわけです。
「ちゃんとした食事をしていれば、すべての栄養素は確保できるのでサプリメントは必要ない、食事に偏りがある人だけが摂ればいい」という考えもあります。そう主張している栄養専門家もいます。サプリメントが食品からは充分に摂れない人のものとなると、栄養バランスがよくない人のためだけのものという印象にもなりますが、そうとは限らないというのが今回の話です。
私たちが研究しているα‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10は、食品に含まれている成分ですが、これが含まれている食品を多く食べたとしても充分に摂ることはできません。というのは、体内で合成されるために吸収がよくないからです、確かに、合成されて不足することがないから、わざわざ食品から摂る必要もないので、吸収率が低くなったというのは理解できることです。ちなみにα‐リポ酸の天然型のR‐αリポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10は三大ヒトケミカルと呼ばれています。
体内で合成されるのに、なぜ補うサプリメントとなっているのかというと、体内で合成されるピークは20歳代で、最も合成量が多いのは20歳となっています。20歳を過ぎたら減少していくということは、今のように長生きの社会では「合成されるから摂らなくてもよい」という成分ではなくて、「着実に減少していく成分なのだから摂らなければならない」成分だということになります。
α‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10というと、ダイエット用の健康食品に使われることが多い成分ですが、あえてサプリメントと位置づけて、摂取の重要性を呼びかけているのです。
α‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10については、このサイトの「サプリメント事典」を参照してください。