サプリメントと医薬品の相互作用

日本は、サプリメント先進国のアメリカを超えるほどのサプリメント大国となっています。サプリメント(健康食品)の研究は最先端にあり、有効性と同時に危険性の研究も大きく進んでいます。サプリメントの危険性というと、故意による医薬品成分の含有や不衛生な環境での製造による有害物質の含有などがあげられていますが、サプリメントの危険性について現在、最も注目されているのは相互作用です。
相互作用は通常は医薬品同士の飲み合わせによる健康被害を指していますが、サプリメントと医薬品においても相互作用は起こります。また、サプリメントの製造技術の進歩につれてサプリメント同士の飲み合わせによる健康被害も起こるようになっています。
このようなサプリメントの相互作用の情報は、世界標準データベースとしてアメリカのNIH(国立健康研究所)の委託によって制作された「NaturalMedicine DataBase」(NMDB)としてまとめられており、英語圏の医療機関や保険会社などで幅広く使われています。日本では日本対応版のデータベースがあり、厚生労働省から「信頼のできる健康食品情報源」と評価され、日本医師会、日本薬剤師会、日本歯科医師会の総監修を受けています。
消費者庁・消費者委員会の健康食品調査によると、国民の58.5%(ほとんど毎日、たまに)が使用しており、利用者の48.9%が2種類以上を利用しているという実態があり、サプリメントの相互作用の情報は広く国民に知らされるべき内容と認識しています。NMDB日本対応版は日本医師会と日本薬剤師会の会員に公開されています。NMDB日本対応版については、サプリメント商品の情報を的確に伝えることを目的としたサプリメントアドバイザリースタッフである公益財団法人日本健康・栄養食品協会認定の食品保健指導士、一般社団法人日本臨床栄養協会認定のNR・サプリメントアドバイザー、一般社団法人日本食品安全協会認定の健康食品管理士などの有資格者にも知られています。
しかし、専門的な内容であることから実際にサプリメントを使用する人が自分のために活用するところまでは進んでいないのが残念なところです。NMDB日本対応版は書籍版の「サプリメント・健康食品成分のすべて」が出ていて、一般の人でも大型書店やAmazonなどで購入することができます。