サプリメントと薬は時間差で飲む

テレビの健康バラエティ番組で薬の最新情報がテーマとなり、その中で「薬とサプリメントは一緒に飲むと吸収率が下がるものもあるので2時間の時間差で飲む」ということを薬学の教授が説明していました。それ見た別の局のディレクターから問い合わせがありました。私たちが常に言っていることとは違った内容だったからです。
サプリメントの成分が医薬品の吸収を低下させることがあるのは事実です。逆に医薬品の効き目と重なって、効果が高まることによってマイナス面が起こることもあります。例えば、血管の血小板を剥がす作用がある医薬品のアスピリンと同じ働きがある健康商品(サプリメント)成分のイチョウ葉エキスを摂ると血小板が剥がれすぎて出血することもあります。血圧を下げる医薬品と同じ効果がある健康食品では血圧の下がりすぎ、血糖値を下げる医薬品と同じ効果がある健康食品では血糖値の下がりすぎが指摘されます。
このようなことが起こらないようにするには医薬品が吸収されるまでの時間、サプリメントの成分が吸収されるまでの時間を考慮して2時間をあけるというのは正しい選択です。それなのにディレクターから問い合わせがあったのは、サプリメントの摂取タイミングの話をメディアに話していたからです。
医薬品は飲むべきタイミングが決められています。サプリメントは食後なのか空腹時なのかで吸収率が異なります。だから、医薬品を飲むのが食後で、サプリメントが空腹時なら食事の2時間前か後というのはわかります。しかし、食後に摂らなければならないサプリメントなら、医薬品を飲まない食後に摂る必要があります。
テレビ番組は短い時間でのコメントなので、こういったことは伝わらないために、他の情報を得てから判断するようにしたいものです。私たちが発信する情報が、その一助になればと思います。