サマータイムは太るのかやせるのか

オリンピックの猛暑対策としてサマータームを導入しようという話が出てから、各メディアではサマータイムのメッリットとデメリットを取り上げた番組や記事が急に増えました。健康面では動脈硬化が増えやすいとか心筋梗塞が増えるというデータを使った内容が目立っていますが、情報発信をしている健康雑誌の編集者から「サマータイムはやせるのか」という質問がありました。
“夏やせ”という言葉があるので、サマータイムはやせるという話だと取り上げやすいということでしたが、起きる時間を早くすることでダイエットできるのだったら、これは是非ともすすめたいことで、何もサマータイムにすることはなくて、早寝早起きを推奨すればよいことです。早寝のダイエット効果は充分に証明されていて、一つには深夜の0〜2時に多く分泌される成長ホルモンによって筋肉が増え、疲労が回復していくので、この時間帯に熟睡していることはダイエットだけでなく、健康面でも重要です。年齢を重ねてくると運動をしても筋肉が増えにくくなるので、運動をした日は特に早めに寝てほしいところです。
もう一つ関わりがあるホルモンがコルチゾールです。これはストレスホルモンと呼ばれていて、起きている時間帯に多く分泌されるのはよくないのですが、寝ている間に分泌されると脂肪の分解が起こります。寝ているときにも脂肪をエネルギーとして使っていて、身体を動かすことがない時間帯に脂肪を分解するために分泌されています。このコルチゾールは深夜の2〜4時に分泌されています。この時間帯に熟睡していると分泌量が増えることが知られています。
この理屈からいうとサマータイムはよさそうに思えてくるところですが、ホルモンの分泌は生活リズムが整っている状態で正常に分泌されるので、一時期だけ早寝早起きをしたからといって、すぐに寝る時間、起きる時間に合わせて分泌量が変化するものではありません。リズムが乱れることで分泌量にも乱れが起こるので、サマータイムで必ずやせられるのかというと確実ではありません。ただ、昼間の時間帯は自律神経の交感神経の働きが盛んになっていて、代謝も高まりやすいので、早起きして、しっかりと身体を動かすという人にとってはプラスとなるということです。