サルコペニア肥満を防ぐインターバルウォーキング

筋肉の量が減っているために体脂肪が増えても外見的に気づきにくいサルコペニア肥満は、もちろん筋肉が増えにくい高齢者に多くみられるものですが、運動不足の子供にもみられるようになっています。筋肉量が減ってくると筋代謝力が低下します。筋代謝力というのは、筋線維(筋肉細胞)がエネルギー源を使ってエネルギーを作り出す能力のことで、筋繊維の種類によって使うエネルギー源が異なっています。速筋という白い筋肉はブドウ糖を使い、遅筋という赤い筋肉は脂肪酸を使います。速筋は早く動くことができる筋肉で、強い力を出すことができるものの、長く力を発揮させることはできません。遅筋は小さな力しか出ないものの、長く動かすことができます。
遅筋が赤い色をしているのはミオグロビンとミトコンドリアが多いからです。ミオグロビンは赤血球のヘモグロビンが運んできた酸素を受け取る働きがあり、酸素を筋繊維に取り込む働きをしています。ミトコンドリアは筋繊維の中にあって、中に入ってきた酸素とエネルギー源(ブドウ糖と脂肪酸)をエネルギー化させる働きをしています。
無酸素運動をして速筋の量が増えれば、ブドウ糖をエネルギーとして使う能力が高まり、無酸素運動をして遅筋の量が増えれば、脂肪酸をエネルギーとして使う能力が高まります。肥満になるのは体脂肪の量が増えすぎている状態で、有酸素運動によって遅筋の量が増えれば脂肪酸が多く使われ、血液中の脂肪酸が減ります。これを補うために、脂肪細胞の中に蓄積されている中性脂肪が分解されて、脂肪酸が血液中に放出されます。これが続くことによって、余分に蓄積された体脂肪が減っていくようになるわけです。
サルコペニア肥満を予防するためには遅筋を増やす有酸素運動をします。身体を動かすために必要な速筋を増やすには無酸素運動ということになるのですが、歩幅を広げて勢いよく歩くウォーキングなら遅筋と当時に速筋も増やすことができます。それもあって、私たちは速歩を取り入れたウォーキングであるインターバルウォーキングを紹介しています。