シューズは中敷と靴下でフィットさせる

足の形を立体的に測定して、ぴったりと合うシューズを選んでくれる計測装置があります。それで測定したら、左右の足の長さが異なり、長いほうに合わせるのか、短いほうに合わせるのか悩んでしまうことがあります。長いほうに合わせると、短いほうの足は余裕がありすぎてブカブカした感じになります。それとは逆に、短いほうに合わせると、長いほうはきつくなります。どちらにしてもフィットしていないほうは、歩きにくいことになります。
しかし、短いほうに合わせて、長いほうを歩きやすくするようにする方法はあります。それは中敷を使うことです。足の長さが短いとブカブカ状態になりますが、このブカブカを解消するのが中敷の役割です。その効果が中敷にはあるといっても、サイズには限界があり、個人によって足の形には違いがあり、靴のサイズと形に合わせるためには、その差になっているところを埋める工夫が必要になります。その工夫が中敷となります。
中敷は、それぞれの足の大きさと形に合わせて作るオーダーメイドならフィットさせることができるとしても、中敷も靴と同様に既製品です。既製品と既製品の組み合わせで、完全にフィットさせることができるはずはありません。そこで、その間を埋めるために使われるのが靴下です。日本の靴売り場に中敷は置いてあっても、靴下までは置いてありません。欧米の靴売り場に行くと、中敷と一緒に靴下が売られているのは当然のことです。靴売り場では、靴を売っているのではなくて、歩きやすい靴を売っている、もっと言えば、歩きやすい機能を売っていると言っています。だったら、歩きやすくするために靴売り場で中敷と靴下を売るのは当然のことです。
靴と中敷、靴下が合っているのかというのは、足に合わせればよいということではなくて、歩き方によって実は合う靴も、合う中敷も、そして合う靴下も違ってきます。靴を販売する人は靴、中敷、靴下に気を使うのと同時に、歩き方もチェックすべきだと思うのですが、そこまでチェックしているのは少ないようです。歩き方にアドバイスできる人が靴を販売するのでなければ、正しい歩き方、それに合った靴選びはできないと私たちは考えています。