スッキリ成分って何だろう

テレビの通販番組を見ていると、「スッキリ」という言葉が、よく出ています。便通がよくない人はスッキリと聞くと、便通の改善をイメージするはずです。言葉だけではイメージしにくくても、テレビではイメージ画像が使えるので、ドアから出てきて「スッキリ」と言えば、このドアはトイレのもので、だからスッキリといえば便通ということを狙ってのシーンとなります。トイレのイメージ画像でなくても「毎朝スッキリ」というだけで、これも便通の改善を主張しています。
医薬品医療機器法に基づく無承認無許可医薬品監視指導マニュアルで、健康食品は効能効果を述べることが規制されています。効能効果というのは、医薬品のように効果があって病気などを治せるということだけでなく、身体の機能に影響を与えることも含まれます。これに従うと便通の改善も血液サラサラも活性酸素の消去も規制対象となります。
スッキリという言葉をダイエットが気になる人は体脂肪の減少という意味に捉える人もいます。ウエストが細い女性の映像を出すだけで、これはダイエット効果があると言っているのと同じことになります。便通の改善をイメージさせる画像であって、便通がよくなる、代謝がよくなる、だからやせられるというように捉える人もいます。
こちらはスッキリの意味を取り違えていても、それほど大きな差ではないことになるかもしれませんが、そのスッキリの意味を気分や脳の働きという意味に捉えてしまうと、これはもうまったく違った効果を求めることになります。健康食品というと身体の調整、生活習慣病の予防というイメージを抱く人が少なくないのですが、脳機能の改善の研究も進んでいます。ストレス解消、興奮の抑制、元気を出すといったテーマで、こういったもののスッキリを腸内環境の改善と感じて購入したら、違った結果になってしまいます。その逆もあるのですが、スッキリに限らず、効能効果をズバリと言えない中にあっては、なんとか意図を伝えようという工夫というか努力が、思わぬ結果につながることがあるというわけです。