ダイエットの“ご飯論法”

2018年の新語・流行語大賞の候補の中に「ご飯論法」がノミネートされていました。これは「朝ご飯を食べたかという質問に対して食べていないと答え、ご飯は食べていないがパンは食べた」というような論点が通らない答弁を指しているものです。国会中継を見ていると、そんなシーンを目にします。
朝ご飯を食べたかという話はダイエットの指導でもよく出てくることで、女子大生が朝食を食べていないというので、なぜ必要なのかということで脳のエネルギー保持について説明しました。その翌日にLINEで朝食メニューの写真が送られてきたのですが、メニューというような内容ではなくて、茶碗に白ご飯が盛られただけだったので、他に食卓に出たものを聞いたところ、「お茶」という返事があってビックリしました。「ご飯論法」とは逆で、朝ご飯は食べたけれど、私たちが考えている朝ご飯とは異なっていて、朝にご飯だけを食べたということです。
朝ご飯というのは、ご飯(米飯)に味噌汁、目玉焼きにサラダという内容にこだわることはないのですが、少なくとも料理として食べているものと想像していたので、脳のエネルギーとしてのブドウ糖の話だけで済ましたことを反省しました。脳の唯一のエネルギー源のブドウ糖を補給するだけなら、白ご飯だけの食事でも足りるのですが、そのブドウ糖をエネルギー代謝によって生命維持のためのエネルギーを作り出そうとしたら、代謝に欠かせないビタミンB群のビタミンB₁、ビタミンB₂、ビタミンB₆、ビタミンB₁₂をセットで摂る必要があります。
ビタミンB₁とビタミンB₂は体内では24時間は保持されるので、朝食で摂れていなくても昼食か夕食で摂れていれば不足はしないわけです。ところが、ビタミンB₆とビタミンB₁₂は体内では12時間ほどしか保持されないので、朝食と夕食には摂らなければならないことになります。卵にはビタミンB群が含まれているので、最低限でも卵かけご飯は食べてほしいという、誰でもできそうなことから始めてもらうようにしました。