ダイエットはヘルスケアなのか

ダイエットというと、なんだか“いかがわしい”ムードが漂う言葉と思っている人は少なくありません。私たちが日本メディカルダイエット支援機構の立ち上げを考えて、各方面に説明をしたときには「たかだかダイエットなのに“メディカル”はないだろう」という反応が多く、「メディカルダイエットという言葉は医学界に失礼だ」という反応さえありました。それが今ではメディカルダイエットは独立した言葉として浸透しています。「私たちの努力のおかげ」と言うつもりはなくて、正しいダイエットへの認識が高まってきた結果だと考えています。たまたま、そういった流れの中で、当法人の名前がヒットしたと考えるのが当たっているのかもしれません。
ダイエットの本来の意味については過去に何度か説明していますが、英語ではdietは「作戦、戦略、方針」といった意味があり、それが正しいことをするということで食事療法や運動療法となりました。そんなダイエットがいかがわしく思われるのは、その手法の健康食品、運動法などが科学的な根拠があると思われないからであり、他人を騙すために使っている人もいて、その被害者も数多くいるからです。そもそも新たなダイエット法が次々と登場してくるのは、その前のダイエット法に効果がなく、新たな方法に期待を抱きつつも実際には期待をしていないということが多いからです。
ダイエットは、それぞれの人にとっての正しい食事法、運動法ということであるなら、健康管理の基本であり、健康管理の英訳のヘルスケア(health care)であってよいはずです。しかし、ヘルスケアというと、日常的な食事や運動、休養といった当たり前のことであって、あまり有難味のない感じもします。
健康になるための方法というと、メディアは特徴的なこと、これまで取り上げられてこなかったことを紹介したいという思いもあって、当たり前のことは取り上げられにくくなっています。その特徴的なことを実践するだけで本当に健康が維持されたり、病気の予備群から正常な状態に戻ったり、病気の人にも効果があるということなら、それだけが紹介されるのもありだとは思います。しかし、メディカルダイエットがターゲットにしている生活習慣病は、生活習慣の結果であるだけに、生活習慣を正すための基本中の基本となっているのは食事です。
誤った生活習慣であったなら、それを改善するのがヘルスケアであり、その基本となるのがメディカルダイエットの手法です。ヘルスケアのための方法である、と言っても、差し迫って病気の不安を感じていない人、若い年齢層には響きにくいのですが、そんな人たちにメディカルダイエットという表現をすると「将来を考えてダイエットをやろうか」「私はダイエットは必要ないけれど、周りの人のために学んでおこうか」「今はダイエットは必要はないけれど、知識として知っておくのもいいか」という反応で関心を示してくれます。
今、自分は必要ないというようなことを言う人ほど、実は必要だったりするのですが、そこはあまり指摘しないようにして、ヘルスケアを目指してメディカルダイエットの手法の指導や情報提供を実施しているところです。