ダイエット効果が出やすい女性の特徴

「短期間でやせやすいタイプの特徴を教えて」というオファーが女性誌の編集者からありました。ダイエットでは“やせやすい女性=太りやすい女性”という認識で、一般には太りやすい人がやりがちなことと逆のことをすればよいとアドバイスしています。そんな話は、今回のオファーにはいらないだろうと考えてのジャブのつもりの切り口だったのですが、その話も同時に教えてほしいとのこと。どうして、やせるタイプについて聞いてきたのかというと、健康食品の販売会社は示してきたデータを用いてダイエット記事を書こうとしているけれど、よい結果が出すぎているのは、やせやすいタイプだけを選んでいるからではないかという疑問があるからだということです。
よい結果を持ち込むなら、数多くの女性でテストをして、その中からよい結果の人だけを選び、よくなかった人は隠して、あたかも全員がよい結果になったと発表すれば簡単です。なかなかよい結果が出ないので、何度も試験を行って、特によかったものだけを発表するというのも、よくある手法です。何度も試験をしていると、やせやすい人がわかってくるようになります。そんな経験の中から導き出されたのが、「内臓脂肪型肥満の女性を探せ」という指令です。
女性は皮下脂肪が蓄積しやすく、男性は内臓脂肪が蓄積しやすいという特徴があります。お腹が大きくなる内臓脂肪型の肥満は男性の特徴で、女性は下半身に脂肪がつきやすいとされています。これは通常の脂肪の蓄積のパターンで、一般には内臓脂肪が多く蓄積されると、それ以上の脂肪は皮下脂肪のほうに蓄積されていきます。しかし、女性でも太りすぎると内臓脂肪が大く蓄積していきます。皮下脂肪は蓄積量に限度があって、限界まで蓄積されると、まだまだ余裕がある内臓脂肪のほうに蓄積されてくからです。内臓脂肪の脂肪細胞の中に脂肪(中性脂肪)が蓄積されすぎると、脂肪細胞の数を増やして対応するようになります。
ここまで太ると蓄積する脂肪細胞が増えていることから、なかなかやせなくなります。ということで、太りやすく、やせやすいことからダイエットチャレンジに向いているのは皮下脂肪が限界まで達しているものの、内臓脂肪の数が増えていない人となります。内臓脂肪は食事量を減らしても、有酸素運動をしても優先的に代謝が行われて減っていきます。だから、このタイプの女性を集めたダイエットチャレンジは内臓脂肪の量が反映するウエストサイズしか測定しないのが通常です。
この結果を示して、内臓脂肪型の女性には効果があると表示すれば正直であると言えるのですが、そこまで太っていない女性や、むしろ太っていないと判断されるような女性でも効果があるというような表示をしているところもあります。こうなると不当表示とまでは言わないまでも、正直な表示とは言いにくい内容となっています。