バターコーヒーダイエットで太った人がいる

バターコーヒーは、普通に飲むだけでやせられるというので人気になっているのですが、このバターコーヒーダイエットに挑戦して、かえって太ったという方に相談されたことがあります。やり方が間違っていたのか、自分の体質のせいなのかという質問もありました。体質というか、肥満遺伝子のタイプによって違いが出ることはあるのですが、よくよく内容を聞いてみると、間違いをしていたことがわかりました。
バターコーヒーという言葉だけを聞くと、コーヒーにバターを入れて飲むだけという印象があるかもしれませんが、ダイエットのためのバターコーヒーは『シリコンバレー式 自分を変える最強の食事』の中で紹介されていたもので、著者のデイブ・アスプリー氏は体重が150kgから100kgにもダイエットできたということで有名になりました。私たちとしては、その後に平均的な体重まで落とせたのかが気になるところです。
バターコーヒーに使われるバターはグラスフェッドバターという牧草(グラス)だけをエサ(フェッド)として食べさせて飼育した牛(牧草牛)の乳から作られたバターです。この中には血液サラサラ系の不飽和脂肪酸のオメガ3脂肪酸が多いことが強調されていますが、動物性脂肪の特徴である血液ドロドロ系の飽和脂肪酸も多く含まれているので、強調されていることを鵜呑みにしてよいのかは疑問があります。
バターコーヒーは、これにMCTオイルも加えられます。MCTはMedium Chain Triglyceridesの略で、中鎖脂肪酸と訳されています。Triglyceridesは中性脂肪を指しています。MCTオイルの多くはココナッツオイルから採られたもので、有名なココナッツオイルダイエットも中鎖脂肪酸の有効性が訴えられています。中鎖脂肪酸は分解されやすく、燃焼が早く、細胞のミトコンドリアの中でエネルギー産生が起こりやすくなっています。
こういったことを知らずに、コーヒーに普通のバターを入れて、ただ飲んでいれば、しかもやせると思って多くの量を飲んでいれば、それは太るのは当然のことです。