バナナダイエットは朝にだけ食べるのが正しいのか

フルーツを用いたダイエット法は複数のものが知られていますが、その中でも最も人気が高いのが朝バナナダイエットで、最近は食べるタイミングによって別の効果が得られる夜バナナダイエットも登場しています。
朝バナナダイエットは、朝食にバナナ1本を食べるだけでよい手軽なダイエット法として、人気が高まり、今も人気は続いています。朝に食べるように決められているのはバナナ1本であっても、それ以外には何を食べてもよくて、他には好きなことをしてよいという楽に取り組めるダイエット法という印象が持たれていますが、朝バナナダイエットを成功させるためには実は条件があげられています。
バナナは1本(可食部約100g)で約80kcalとエネルギー量が少ないうえに、甘味があって食物繊維も多く含まれるため、満足感を得やすくなっています。そのことからダイエットに向いた食品といえるわけですが、朝バナナダイエットは胃腸の休息時間を長く取り、機能を回復させて、体質の改善によって代謝を高めることを目的としています。
朝バナナダイエットは、ただバナナを1本食べるだけではなく、常温の水を飲みながら、ゆっくりとバナナを噛んで食べるのが基本的な方法とされます。バナナには酵素が豊富に含まれていて、酵素の働きによって消化を進めるとともに全身の細胞の働きを活性化させることによって、体内に溜め込まれた毒素を排出させることも目的としています。
午前中は排泄の時間帯であるとされていて、この時間帯に消化・吸収に多くのエネルギーを使う肉や魚、卵などを食べると、代謝のために使われるエネルギーが減って、全身の代謝が低下しかねません。バナナは熟成しているため、消化酵素の量が多くなっていて、消化に時間がかからず、エネルギーの無駄づかいがない分だけ、代謝が高まりやすくなっています。
便秘の人は代謝が低下していることが多くて、塩分が多い食事を続けることで体内の水分バランスが崩れやすく、冷えやむくみにつながります。むくみでは全身の細胞内の水分量が多くなり、老廃物の排出が不十分になっている状態で、細胞内の水分が全体的に多くなることで身体が冷えやすくなります。
バナナには不溶性食物繊維と水溶性食物繊維がバランスよく含まれていて、腸壁を刺激するとともに水溶性食物繊維の特徴である便を軟らかくさせる作用があるため、便通が促進されます。また、バナナに豊富に含まれるカリウムには、体内の余分なナトリウムを排出し、むくみを解消し、冷えも解消する作用があることから、代謝を促進することができます。朝にバナナを食べても便通がよくならないようなら、便のもとになる食事量が少ないことが考えられることから、りんごなどの他のフルーツやパンなど消化がよいものを少し加えることも必要となります。
これに対して夜バナナダイエットは、夕食の30分前にバナナ1〜2本を食べ、水をコップ1杯ほど飲むもので、この後に普通に夕食を食べてよいという手軽さで人気になっています。少し血糖値が上がって、普段の食事よりも糖質(ご飯、麺類、パンなど)を減らしても満腹感が得やすくなっています。夜にバナナを食べることで、2種類の食物繊維による腸の活性化、便通の促進が、朝に食べるよりも進みやすくなります。
また、バナナに含まれるアミノ酸のアルギニンには成長ホルモンの分泌を促進させる作用があり、寝ている間に多く分泌される成長ホルモンの働きを高める効果が期待できます。アルギニンは成人の場合には必須アミノ酸とはなっていないのですが、成長期の子どもの場合には必須アミノ酸とされています。これは成長ホルモンに対する作用が認められているからです。