パイナップルダイエットで太った人がいる

パイナップルを食べるダイエット法は、ハリウッド女優の著書の『ビバリーヒルズダイエット』の中で取り上げられたもので、その一部が日本ではパイナップル(パインアップル)ダイエットとして紹介されて人気が高まりました。
パイナップルにはブロメラインという消化酵素が含まれ、この酵素にはたんぱく質を分解する作用があることから、肉を軟らかくするために肉料理に使われています。肉が消化されやすくなることで、たんぱく質がアミノ酸に分解されやすく、筋肉を増やして代謝を高めるのに効果があるということで人気が集まりました。また、腸内で腐敗しにくくなり、デトックス作用も期待されています。
パイナップルには水溶性食物繊維が特に多くて、便を軟らかくして便通を促進する作用があります。ビタミンAとビタミンCには抗酸化作用があって、抗酸化ビタミンとも呼ばれています。ビタミンB₁は糖質の代謝に、ビタミンB₂は脂質の代謝に必要となっています。これらのビタミンのほかに、むくみを解消することが知られるカリウムも含まれています。
パイナップルダイエットは、パイナップルをデザートとして食べることが一般に広まっています。『ビバリーヒルズダイエット』では朝食にパイナップルのほかでも消化酵素が含まれるフルーツを好きなだけ食べてもよいものの、糖質やたんぱく質が含まれる食事をしてよいのは2時間たってからとしています。このときに脂肪は摂ってはいけないとされています。
パイナップルダイエットの失敗例として、生のパイナップルでなく缶詰のパイナップルを食べて太ったということが、よく聞かれます。缶詰は保存と食べやすくするためにシロップが使われているために、エネルギー量が高いので、ダイエット目的では生を食べることです。これを知らなかったために、やせるためのパイナップルで、かえって太った人は少なくありません。
ちなみに、シロップは砂糖を同量の水で溶かした濃い液糖で、エネルギー量は砂糖の半分ほどと高くなっています。シロップ漬けのフルーツはおいしくても、ダイエットのためには避けたいものです。