ヒトケミカルの吸収率の問題を解決する方法

三大ヒトケミカル(α‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10)は医薬品成分だけでなく食品成分として許可され、サプリメントに使うことができるようになったものの、実際に使うとなると問題が起こっています。コエンザイムQ10は人気が一気に高まったものの、効果が実感できないからといって、他のダイエット素材や抗酸化成分に移っていくようなことが起こりました。というのは、コエンザイムQ10は脂溶性の性質があるために脂肪に溶けてからでないと吸収されないからです。そのために食事の後に摂る必要があります。これは食品の中に脂肪が含まれていることと同時に、食事をした後には十二指腸から脂肪成分の胆汁が分泌されるからです。
その条件で摂った場合でも、コエンザイムQ10の吸収率は1%ほどでしかありません。そんなにも少ないので、効果を感じにくい人が多いのも当然のことです。その問題点を解決したのがシクロデキストリン(環状オリゴ糖)です。シクロデキストリンの中にコエンザイムQ10を入れ込む包接によって吸収率を最大で18倍にも高められることが確認されています。しかも、食後に限らず、空腹時に摂っても吸収できるようになっています。
α‐リポ酸は空腹時では20%ほどが吸収されます。食後には胃酸が分泌されるので、α‐リポ酸は分解されて、ほとんど吸収されなくなります。そのため一般のα‐リポ酸は天然型のR体と非天然型(人工型)のS体を等量で組み合わせたラセミ体にしています。これによって分解されにくくはなるものの、S体は吸収されても体内では使われないため、吸収された分の半分しか役に立たないことになります。ラセミ体であっても分解されないわけではなく、分解されにくいということですが、シクロデキストリンによって包接すると分解されずに吸収させることができます。
L‐カルニチンは水溶性なので吸収されやすいとはいっても、10%以下でしかありません。L‐カルニチンは肉類の中に含まれている成分で、たんぱく質と相性がよい特徴があります。たんぱく質とともに摂った場合の吸収率は15%ほどとなります。
コエンザイムQ10とα‐リポ酸はL‐カルニチンと一緒に摂ることで代謝を充分に保つことができるので、L‐カルニチンの効果を実感するためにも吸収率が高いコエンザイムQ10とα‐リポ酸を摂るべきだと考えています。