ヒトケミカルは、いつ摂るのが正しいのか

三大ヒトケミカルのR‐αリポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10は組み合わせて使うことで細胞のミトコンドリアにおけるエネルギー代謝が高まることが知られてから、ダイエットのためのサプリメントに、この3種類の成分を使ったものが増えています。といっても、一般に使われているのは天然型のR体のR‐αリポ酸だけではなく、非天然型のS体も使われています。というのは天然型のR体は胃液で分解されるため、S体と組み合わせることで分解されにくくなるからです。
“分解されなくなる”ではなくて“分解されにくくなる”です。だから、摂取タイミングとしては胃液が分泌されない空腹時(食事と食事の間)となります。他の組み合わせて使われるL‐カルニチンは水溶性なので、いつ摂っても吸収されるものの、L‐カルニチンは動物の肉に含まれていることもあって、たんぱく質との相性がよく、たんぱく質と一緒に摂ることで吸収されやすくなります。だから、食事のあとが摂取タイミングとなります。
コエンザイムQ10は脂溶性なので、胃の中に脂肪がないと吸収されません。空腹時に摂ると素通りの状態になります。食事をすると十二指腸から胆汁が分泌されて、その脂肪によって吸収率が高まるので、やはり食事のあとが摂取タイミングとなります。
R‐αリポ酸と、L‐カルニチン、コエンザイムQ10は摂取タイミングが異なるので、これが一緒に使われたサプリメントは、いつ摂っていいのかわからなくなります。空腹時と食後の両方を摂るという方法もないではないものの、これでは2倍も摂らなければならないことになります。
こういった問題点を解決するために開発されたのがシクロデキストリン(環状オリゴ糖)を用いたサプリメントで、胃液で分解されることなく、食事の影響もなく、いつ摂っても吸収され、しかも吸収率が非常に高いものが開発されました。これがあるから、私たちはヒトケミカルを有効に用いたメディカルダイエットをすすめているのです。
α‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10、シクロデキストリンについては、このサイトの「サプリメント事典」を参照してください。