ヒトケミカルは組み合わせて効果アップ

体内で合成されるものの加齢によって減少していくことから、若いときと同様の(本当は難しくて若いときと近いような)代謝を維持するためにはヒトケミカルを摂るべきということを健康関連のセミナーなどを通じて紹介させてもらっています。ヒトケミカルについては何度も取り上げてきましたが、私どもの理事の書籍『日本人の体質に合った本当に老けない食事術』(宝島社)が発行されたこともあって、またメディア関係者からの問い合わせが増えてきました。それぞれの問い合わせへの返答をベースに紹介をさせてもらいます。今回は「ヒトケミカルは3つを組み合わせないと効果がないのか」という話です。
ヒトケミカルのうち、私たちが取り上げているのはエネルギー代謝に欠かせない三大ヒトケミカルのR‐αリポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10の3種類の成分です。この3成分は代謝のメカニズムが明らかなこともあって医薬品成分となっています。医薬品成分でありながら食品成分として使うことが許可され、サプリメントの成分として広く使われるようになっています。
エビデンスが明確になっている成分というのは、サプリメントのビタミンとミネラルではあるものの、一般の健康食品では特定保健用食品か機能性表示食品の中でも限られたものでないと安心できる内容とは言いにくいところがあります。そういった中にあって、もともと申し分のないエビデンスが存在する成分が食品成分として許可されただけあって、これほど安心できるものはありません。
今回のテーマである三大ヒトケミカルは組み合わせて使用することをすすめています。脂肪酸をミトコンドリアに取り込む働きがあるL‐カルニチンと、ブドウ糖を取り込む働きがあるR‐αリポ酸、この2成分が取り込まれて変化したアセチルCoAをミトコンドリア内で代謝させる働きがあるコエンザイムQ10があって、代謝は最高レベルに高まります。それぞれの成分だけを摂っても、もちろん有効性があるものの、せっかくなら組み合わせの有効効果を体験してほしいと考えます。というのは、もともと3種類は全身の細胞で組み合わされて使われているので、それと同じように、それぞれ充分な量を摂ることをすすめているのです。
ちなにみ、R‐αリポ酸は天然型のα‐リポ酸を指しています。
α‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10については、このサイトの「サプリメント事典」を参照してください。