ファスティングとダイエットの深い関係

ファスティングという言葉のあとに、ダイエットが続くことが多くみられます。ファスティングの効果としてダイエット効果は比較的早く得られるもので、ダイエットは健康面、美容面でも好結果を生み出しやすいだけに、ファスティングの目的としてダイエットを掲げる例も少なくありません。
ダイエットというと、一般にはやせること、やせるために食事を減らすことだと考えられがちです。ダイエット(Diet)の元々の意味は方針、政策、作戦、戦略といったことで、国の方針を決めて実行させる国会は英語では「The Diet」と表記されます。日本の国会議事堂はNational Diet buildingで、地下鉄の国会議事堂前駅は「National Diet bldg.」と表示されています。
正しい方針に基づいて実施するのがダイエットであり、そこから転じて正しい食生活をすることがダイエットとなりました。また、健康維持のために運動をすることもダイエットという言葉が使われるようになりました。栄養過多や運動不足によって太った人が体脂肪を減らして健康的になることがダイエットだけでなく、標準よりもやせすぎている人が健康維持のために体脂肪を増やすこともダイエットだということになります。
少なくとも無理をして、健康を害してまでやせようとすることは、本来の意味のダイエットではないことになります。ファスティングのあとに続くダイエットは、もちろん健康的な方法でなければならず、ファスティングを実践した結果として、より健康体にならなければ意味がないことになります。
ファスティングによるダイエットの基本となるのは食事量を減らすことによる体脂肪の減少が本来の目的ではありません。これまでの食生活によって乱れた腸内環境を正常な状態に整えることによって消化、吸収に続く排泄をスムーズに行わせることであり、腸内細菌の善玉菌を優位にさせて悪玉菌が作り出す毒素(有害物質)を減らすことが一つの目的です。また、毒素に加えて、食事とともに体内に入ってきた有害物質を体外に排出するデトックスによって、全身の細胞の働きを正常にさせることも大きな目的の一つです。