ブドウ糖の燃焼促進に関わる健康食品とメディカルダイエット

胃の中で分解されたブドウ糖は、小腸から吸収されたあとに血液中に入ります。血液中のブドウ糖は血糖と呼ばれていますが、血糖値が上昇すると膵臓からインスリンが分泌されて、インスリンの働きによってブドウ糖が細胞に取り込まれます。細胞の中でも筋肉細胞はブドウ糖の取り込み量が多くて、筋肉細胞内にはエネルギー産生の小器官であるミトコンドリアが多く存在しているので、ブドウ糖のエネルギー代謝量が多くなっています。代謝の仕組みは、なかなか難しくて、イメージを優先させて燃焼という言葉が使われています。この燃焼を促進させる成分が含まれている健康食品素材が確認されています。
摂取タイミングとしては食事のあとで、食後には血液中のブドウ糖が増え、血糖値が上昇する時間帯に摂ることでブドウ糖の取り込みが促進されます。食事を始めてから血糖値がピークを迎えるまで30分間ほどかかるので、食事の前後に摂ることでも効果が得られます。
ブドウ糖燃焼促進作用のある素材としてはα‐リポ酸、クエン酸、クロム、ビタミンB₁、ヤーコンがあげられます。
α‐リポ酸はビタミン様の補酵素の一種で、チオクト酸とも呼ばれます。体内のすべての細胞に存在し、炭水化物を分解するエネルギー産生に欠かせない物質です。2004年に食薬区分の変更によって、医薬品成分だけでなく食品にも使用できるようになりました。糖質からエネルギーを作り出すミトコンドリア内のTCA回路を活性化させ、エネルギー産生を効率的に行わせ、余分なエネルギー源が体脂肪として蓄積するのを防ぐ作用があります。
クエン酸は柑橘類や酢に含まれる酸味成分です。糖質や脂質をエネルギー化するTCA回路はクエン酸から他の酸への変化が始まることからクエン酸回路とも呼ばれます。TCA回路の働きを盛んにし、生体エネルギーのATP(アデノシン三リン酸)を生成するとともに、疲労物質の乳酸の蓄積防止の作用があります。
クロムは糖質や脂質の代謝に関わるミネラルで、体内では肝臓、腎臓、脾臓、血液に存在しています。食品に含まれるクロムは三価クロムで、有害な六価クロムとは別のものです。インスリンが細胞と結合してブドウ糖を取り込む働きを改善して、血糖値を低下させる作用があります。また、クロムには脂質代謝を促進して血液中の中性脂肪やコレステロールの量を正常に保つ働きもあります。
ビタミンB₁は水溶性ビタミンで、チアミンとも呼ばれています。糖質のエネルギー代謝に必要な補酵素としての働きがあり、疲労回復のビタミンとも呼ばれます。糖質からエネルギーを作り出す過程でできる乳酸は肝臓でブドウ糖に変換されてエネルギーとなりますが、ビタミンB₁が不足するとブドウ糖への転換が遅れ、乳酸が疲労物質として蓄積され、筋肉疲労や全身の倦怠などを引き起こすことになります。
ヤーコンは中南米アンデス高地原産のキク科の多年草の根菜です。地下部にはサツマイモのような根を1株につき10~20個つけます。オリゴ糖の含有量は野菜類の中では最も多く、カテキン、配糖体(フラボノイド、多糖類)、テルペン類、ミネラル類(カリウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、鉄など)、食物繊維が多く含まれています。エネルギー量はイモ類の中では最も低く、血糖値の上昇を緩やかにする働きがあります。