ブドウ糖はいけなくて果糖ならよいのか

糖質制限が大流行していることから、コンビニでも低糖質のカップ麺、スイーツ、ビールなどが並び、外食店でもライスを残す人が増え、回転寿司でシャリ小が登場したり、こんにゃく麺のラーメン、糖質制限居酒屋などというものまで登場しています。糖質は健康によくない、血糖値が上昇して糖尿病にもなりやすいと、とにかく糖質を減らせばよいという風潮が広まっています。
そのためだけでもないのでしょうが、健康を考える上ではブドウ糖が多く含まれるものを避けて、血糖値が上昇しない果糖が使われる傾向は以前からありました。血糖は血液中のブドウ糖のことなので、ブドウ糖の摂取量が少なければ血糖値が上昇しにくいのは当然のことです。そのために糖質制限をして血糖値が上昇しにくくなったので糖尿病が治ったということまで言う人もいます。その人が患者であればまだわからないでもないのですが、治療する側の医師にも、そんな考え方をしている人がいます。
その理由として、医師になるための医学部の授業に栄養学の講座がない大学のほうが多い、ということをあげる向きもあり、医師の多くが卒業した後に実践の中で栄養学を勉強しているので我流になりやすい、ということをあげる人もいます。
以前に、地方創生の特産物としてドライフルーツを売り出す計画があったときに、砂糖を使うとブドウ糖が多くなるが、砂糖なしなら果糖だけになるので血糖値が上昇しにくくなってダイエットにもよい、という話をしている栄養士がいました。栄養学を学んでいない医師がした話ではなく、栄養学を学ばなければなることができない栄養士の発言です。ダイエットによいというのは、血糖値が上昇することによって膵臓から分泌されるインスリンには肝臓での脂肪の合成を進める働きがあるので、血糖値の上昇は体脂肪の蓄積につながっていくからです。
砂糖を使わずに、果糖の甘さだけなら安心と思われがちですが、果糖は摂りすぎると中性脂肪を増やします。果糖なら安心とはいかないのです。
砂糖はブドウ糖と果糖が1対1の割合となっています。砂糖の甘みを100とすると、ブドウ糖は70ほどの甘さになります。それに対して果糖は130ほどの甘さがあります。この特徴を活かして、甘いけれど血糖値が上昇しにくい食品も開発されています、甘味料として使われている果糖ぶどう糖液糖はトウモロコシのデンプンに含まれるブドウ糖に、果糖を結合させて、ブドウ糖よりも果糖のほうを多くしたものです。この割合なので砂糖よりも甘いものとなります。ぶどう糖果糖液糖というものもありますが、これはブドウ糖のほうが果糖よりも多く含まれたものです。
甘くなければ大丈夫、ということではないので、購入する前に、どのようなものが使われているのかを見るようにするのは大切なことです。