プラス3000歩で異所性脂肪が減る

メディカルダイエットの手法は、食事と運動のタイミングによる効果的ダイエットを特徴としています。同じ食事量、同じ運動量で、やせさせることと逆に太らせることを実現する手法です。太るといっても筋肉量を減らさずに脂肪を増やすもので、体重制限があるスポーツ選手からの要望を実現させています。
血液中のブドウ糖の量が少なくなっている空腹時に筋肉運動をすると、ブドウ糖不足を補うために筋肉の中に蓄積されているグリコーゲンが分解されて、血液中にブドウ糖が放出されます。このブドウ糖が運動のためのエネルギー源として使われています。その後に食事をすると、肝臓で合成されるグリコーゲンが多くなります。食事で摂取したブドウ糖のうちグリコーゲンに合成される分が増えると、それだけ血糖値が上昇しにくくなります。血糖値が上昇するほど膵臓から分泌されるインスリンが増えるのですが、グリコーゲンの合成が高まって血糖値が下がった分だけインスリンが減ります。インスリンには肝臓での脂肪合成を増やす作用があることから、結果として脂肪合成が減って太りにくくなります。
「その理論は第三の脂肪の異所性脂肪が多い人にも通用しますか」という質問をしてきたのは健康雑誌の編集者です。異所性脂肪は肝臓、心臓、筋肉に蓄積されている脂肪ですが、筋肉の中に異所性脂肪が蓄積されるとグリコーゲンの蓄積が減るようになります。そのために空腹時の運動をしても、グリコーゲンの分解と再蓄積が阻害されて、空腹時の運動効果を低下させる結果となっているのは仕方がないことです。
異所性脂肪を減らすための運動については、2週間、1日3000歩をプラスすることで異所性脂肪が20%減少したという試験結果が得られています。実際には1日に160kcal分の消費エネルギー量に相当する運動量で、人によっては5000歩が必要な人もいます。この対象者は2型糖尿病の患者で、異所性脂肪が蓄積されると糖尿病のリスクが高まることから、糖尿病対策として採用されています。ただ1日に3000歩を増やすだけでなく、そのうち20分は早歩きをするインターバルウォーキングを日本メディカルダイエット支援機構ではすすめています。