ヘルスケアは健康の手当てなのか

中国からの観光客が増えるにつれて、デパートやショッピングセンターには日本語の看板の中に中国語の表示もされるようになってきました。その中で気になったのは「フットケア」のコーナーで、日本語と英語の表示と並んで中国語で「足底管理」と書かれていました。パソコンの変換ソフトを使ってみたら同じ変換になったので、これは標準的なものかと思ったりもしたのですが、なんだか気になる文字変換です。
フット(foot)は足(足首から先)を表す言葉で、足首から股関節までは脚(leg)となります。フットケアは足底だけでなく、もっと上までをケアすることです。ケア(care)は手入れや手当てから維持まで広い意味があって、イメージからすると足底だけでなく、足も脚も手入れをすることです。履くだけで脚が細くなるというレギンスも販売されているので、“足底”というのは違うだろうし、ケアを“管理”というのも違う感じがします。
管理という変換がしっくりするのは“健康”と組み合わせたときで、ヘルスケア(health care)は健康管理と訳されると健康の維持と増進は管理をする意識をもっていないといけないんだな、ということが理解できます。今でこそヘルスケアが病気にならないための重要な手段であることが広まり、ヘルスケアは“セルフケア”だという意識も高まってきています。そういえば日本セルフケア推進協議会という組織も立ち上がり、一般用医薬品を使いながらセルフケアをするという“日本型セルフケア”を推進しています。東洋医学の発想の養生や未病を元にして、これに初期段階で使う医薬品によってヘルスケアを図ろうというものです。
ヘルスケアは健康管理、自分で管理をするセルフケアだといっても、なかなか健康づくりの行動を起こすのは難しいことです。「目の前に人参をぶら下げる」ではないのですが、何かご褒美が必要になることもあります。ケアには手当てという意味のほかに報酬や経費、心づけ(チップ)として支払われる金額も意味もあります。ヘルスケアを進めるためには、お金ではなくても、プラスになるベネフィット(幸せを感じる価値)の提供はヘルスケア推進には必要だと考えているところです。