マイタケで血糖値スパイクを防げるのか

健康をテーマにしたバラエティー番組で、血糖値を下げるためにはマイタケを食べればよいということを紹介していました。キノコのマイタケには水溶性食物繊維が豊富に含まれていて、糖質の分解を抑える作用があるので効果があるという普通の話でした。しかし、その流れの中で、マイタケにはセカンドミール効果があるという話が出て、これを見ていた他局のディレクターから、すぐに「セカンドミール効果は新しい発見なのか」という質問がありました。
マイタケのセカンドミール効果は、2010年に発表されたことで、雪国まいたけが60gのマイタケを食べることで食後の血糖値の上昇を抑えられることを確認したという内容です。例えば、朝食にマイタケを60g食べておくと、昼食の血糖値の上昇が抑えられるということです。60gというのは1食で食べる量で、しかも試験に使ったのは焼きマイタケで、水分が抜けて重量が減っています。実際には70〜80gのマイタケを1日に3回の食事で食べるとなると、かなりの量になります。
セカンドミール効果を初めて発表したのは、GI値の提唱であるトロント大学のデビット・ジェンキンス博士で、GI値は発表した翌年の1982年のことでした。このときに使われた食材は、マメ科の食品でした。セカンドミール効果ということになると、相当に以前から言われていたことで、古いネタと私たちは感じていました。
テレビ番組では、肉が好きで、よく食べているタレントに肉料理の定食だけのときと、マイタケを先に食べてから肉料理の定食を食べていたときを比べて、マイタケを食べたときのほうが血糖値の上昇が抑えられているということを映像にしていました。しかし、録画しておいた、その番組を見直したら、定食のご飯の量は肉料理だけのときには盛りがよかったのに、マイタケを食べてから肉料理の定食を食べたときのご飯の量が少なくなっていました。これではマイタケのおかげなのか、ご飯の量を減らしたためなのかわからなくなります。
セカンドミール効果のことを言うなら、マイタケを食べた次の食事で、どうなったのかを確かめてほしかったのですが、それはパスされていました。セカンドミール効果だけを扱った、いろいろな食材の番組をやらないかとディレクターには話したのですが、どんなことになるのか、楽しみにはしています。