マスクは免疫を低下させるのか

新型コロナウイルスの感染防止のためにマスクをつけて外出するのは当たり前の新しい生活様式になりました。室内にいても、医療機関や福祉施設、介護施設では他人と接触するときにはマスクは必須で、高齢者の場合には家庭でもマスクをすることがすすめられています。マスクは感染防止に効果があるといっても、感染した人が他人に感染させないという効果であって、他人から感染しないという効果はあまり高くないというのが現実です。
マスクをすると免疫が低下するという話があります。これはマスクをしていることによって免疫が直接的に低下するということではありません。間接的に低下するということですが、それはストレスが高まることによる免疫低下を指しています。新型コロナウイルスの感染拡大によって外出の自粛が求められ、他人と話をする機会が極端に減りました。混雑していなくて、感染リスクが低いところに出ていくことが禁止されているわけではありませんが、感染が拡大して第2波と呼ばれる状態が、ちょうど夏場の暑い時期と重なりました。
通常の夏であれば、お盆を過ぎると暑さのピークが下がる、ということになるのですが、今年はお盆過ぎどころか、9月になって40℃を超える地域があった、それも西日本の話ではなくて新潟県だったということで、9月になっても熱中症の注意が必要という厳しい状況でした。こうなるとマスクをして外出というよりも、外出ができない、高齢者の場合には新型コロナウイルスと熱中症の両方を心配して、健康度の向上にも免疫の向上にも、そして認知機能の維持・向上にも効果があることが知られるウォーキングすらできないという時期が長く続きました。
外出をしたとしても、マスクをしていると活発な会話ができなくなります。多くの人が集まるところは間隔をあけて、大きな声で話せない、できれば話をしないのがよいという状況では、ストレスが高まって、自律神経の調整ができなくなって、免疫が低下する一方になってしまうのです。マスクをせずに会話が楽しめるように、ウイルスが死滅する薬剤を噴霧できる装置が多くの人が集まる施設に設置されることを望むのですが、まだまだ時間がかかりそうです。