マスクをつけてのウォーキングの熱中症のリスク

マスクをつけて走るのは危険ということは知られるようになり、特に夏場の暑いシーズンにはマスクをつけないで走るか、それともマスクをつけて走らないか、を選択しないといけないという状況であることも認識されるようになってきています。ランニングは皇居一周というような、よほどの名所でなければマスクなしでは飛沫感染するほど混雑はしていないはずです。それなりに人出があるところでは走らずに歩こうということになりますが、ではウォーキングはマスクをつけないでやっていいのかということになるのかということです。
ウォーキングは歩くだけなので、飛沫感染の心配はないのかというと、日常的なウォーキングならコースも時間も自由に決められるので、飛沫感染の心配はないということです。ところが、ウォーキングのイベントとなると同じ日に集まって、同じ時間に、同じコースを集団で歩きます。歩いているときの飛沫感染だけでなく、集合するところから休憩、ゴール後の交流まで、どうしても密になります。ウォーキングは外ですることだから3密ではないといっても、その前後には3密状態になるのは仕方がないことです。
もともと大きなウォーキングのイベントは夏場には涼しい地方でしか開催されないので、新型コロナウイルス対策でマスクをつけて歩いても熱中症の心配はないと言われています。しかし、前後のリスクを考えると、新型コロナウイルスの感染が収束するまではリスクが高すぎるというので、軒並みイベントは中止になっています。
マスクをつけてのウォーキングの熱中症リスクを確認するために、マスクの種類を変えて実験してみました。ウイルスの防御効果が高い不織布マスクは通気性がよくないので、中に熱がこもりやすくて熱中症のリスクが高まります。“なんとかマスク”で有名になった布製マスクは通気性がよいので、熱中症のことを考えるなら布製のほうがリスクは低いことになります。布製マスクの中でも涼しさを感じる素材のものが増えてきましたが、これはランニングだけでなくウォーキングにも使わないほうがよいということを伝えさせてもらっています。
マスクをしていると、ただでも口の中が湿った状態になって喉の乾きが感じにくくなりますが、涼しさを感じる素材だと、さらに喉の乾きが感じにくくなり、かなり体温が高まり、熱中症のリスクが高まっていても歩くのをやめようという気にならず、これが危険性を高めてしまうことになるからです。