マヌカハニーのMGOは増やせるのか

「マヌカハニーの有効成分であるMGOは、ジヒドロキシアセトンが37℃で保存されることによって変換されて増えていく」ということを紹介したところ、複数の方々から「MGOは増やせるのか」という質問がありました。「保存期間を長くしたらMGOが増えるのか」という質問よりも、多かったのは「保存の温度を高めたらMGOを増やせるのか」という質問でした。
マヌカハニーに含まれるMGO(メチルグリオキサール)の数値には50から550まであり、1kg中に何mgのMGOが含まれるかを示しています。50mgピッタリということではなく、検査によって50mg以上が含まれていることが確認されているということで、50+と表示されています。この10倍以上の差は保存している間に自然に増えてきた結果です。
質問に対する返答ですが、MGOは増やすことができます。マヌカハニー商品の中にはMGOに換算して1000を超えるものもあります。これが自然の状態で増えたのなら問題はなさそうですが、無理やり増やしたものだとなると、これは大問題です。というのは、保存の温度を高くすることでMGOは増えるものの、それと同時に危険な物質も増えてしまうからです。
危険な物質というのはHMF(ヒドロキシメチルフルフラール)のことです。これは糖の熱分解によって生成される有機化合物で、公正取引委員会の「はちみつ類の表示に関する公正競争規約」では含有量は100g中に5.9mg以下と定められています。これ以上だと有害性が出るということを示しています。
加熱によって増えるということは、MGOを増やそうとして、有害なHMFも増えてしまうことになります。実際にMGOの数値が高いマヌカハニーからHMFが多く含まれるものも出てきています。加熱して水分を抜いたマヌカハニー加工品もあり、これについてもHMFの危険性が付きまとっているのです。