モンゴル出身力士のパワーの源

同じような体格なのに大相撲のモンゴル出身力士のパワーは驚くほどです。これについては、さまざまな研究が行われていますが、パワーの源として考えられているのが肉の中に含まれているL‐カルニチンです。L‐カルニチンについては、このサイトの「サプリメント事典」を参照してください。
L‐カルニチンは肉の中でも羊肉に最も多く含まれています。L‐カルニチンには脂肪酸を細胞のミトコンドリアに取り込む働きがあり、L‐カルニチンが多い人は脂肪を燃焼させる能力が高くなっています。体内で合成されるL‐カルニチンは20歳代をピークに減少していきます。これは日本人でも欧米人、他の国民でも同じですが、もともと体内に多い国民は年齢を重ねても減り方はゆるくなっています。日本人は歴史的に肉食をしてこなかったために体内の蓄積量が少なく、それが減ってくるので脂肪が燃焼しにくく、体脂肪として溜まっていきます。
羊の血液温度は約44℃と、食肉の動物の中では最も高くなっています。これはL‐カルニチンによって脂肪が燃焼していることと関係しています。脂肪が燃焼して作り出されたエネルギー物質のATP(アデノシン三リン酸)の70%ほどは体熱として使われています。だから燃焼が盛んなら血液の温度が高まり、全身の体温も高くなるということです。
羊肉を多く食べている国はモンゴルの他ではオーストラリアとニュージーランドです。両国はラグビー選手の体格を見てもパワーを見ても他を圧倒しています。その秘密が羊肉のL‐カルニチンにあったということです。